立佞武多の館(青森・五所川原市) 2025年度に改修 事業費20億円規模

五所川原市が2025年度に改修工事を予定している「立佞武多の館」

 青森県五所川原市は11日、市中心部の観光施設「立佞武多(たちねぷた)の館」の大規模改修を2025年度に実施する方針を示した。事業費は概算で20億円を想定、工事期間中は原則休館となる。同日、市民が交流できるスペースを新設することなどを盛り込んだリニューアル計画案をホームページに掲載し、パブリックコメント(意見公募)を始めた。

 同施設は04年に開館。高さ23メートルの大型立佞武多3台が入る展示室などがある。建設から19年余りが経過し、建物全体の老朽化が進み、天井部分の雨漏りや空調設備の不具合などが起きていた。

 リニューアル計画案では、現在音楽などの練習室がある4階を、子育て世帯が気軽に集えるスペースや中高生らが勉強や休憩に利用できる空間にする予定。子ども向けの遊具や絵本なども置き、同館を「観光・市民交流の拠点施設として再生させ、さらなるにぎわいの創出を目指す」としている。4階以外のフロアは、基本的に現在の機能を維持する。

 また、リニューアルに併せ、同館近くにある上平井町駐車場を来館者向けに新たに活用する方針。

 24年度に実施設計を行い、26年度中のリニューアルオープンを目指す。25年度の工事期間中も立佞武多の格納や、祭りの際の出し入れは例年通り行う予定。リニューアル事業の財源は、返済額の70%が交付税で補われる過疎対策事業債を活用する。意見公募は2月9日まで。

 同施設の大規模改修を巡っては、市が当初、23年度中の実施を計画したが、事前の調査で想定を大きく上回る工事費の概算額が出たことを受けて見送った経緯がある。

© 株式会社東奥日報社