捜査で訪れた民家から現金を盗んだとして、窃盗の罪に問われた京都府警捜査2課警部補の男(57)の初公判が12日、京都地裁(湯川亮裁判官)であった。警部補は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は、警部補が警察官になった翌年ごろから同僚の金品を盗むなどしていたと指摘した。
起訴状によると、伏見署刑事課に勤務していた2019年7月、変死事案の捜査で訪れた京都市伏見区の民家から現金10万円と腕時計を盗み、20年10~11月、別の80代女性の自宅から現金約300万円を盗むなどしたとしている。
検察側は冒頭陳述で、警部補は19年7月29日、伏見区の民家で変死者の遺書を探す作業中に10万円と腕時計を見つけ、ズボンのポケットに入れて盗んだと指摘。20年10月14日~11月28日ごろには、金融機関からの通報を基に特殊詐欺被害を防ぐ名目で女性宅を訪れ、現金の保管先を案内させ、隙を見て衣装ケースから約300万円を自分のかばんに入れて盗んだと説明した。盗んだ金は勤務先の引き出しに隠し、祇園での飲食代やカードローンの返済、交際相手へのプレゼントなどに充てたという。
また検察側は、警部補が警察官になった翌年の1988年ごろから配属先の同僚の金品を盗み、捜査協力者から現金を受け取る見返りに捜査情報を教えたり、捜査費を目的以外に使用したりするなどの行為を繰り返していたと明らかにした。