小林虎之介が「PICU 小児集中治療室」で研修医役。吉沢亮との初共演で「毎日が学びです」

フジテレビ系で今春放送する、吉沢亮主演の「PICU 小児集中治療室 スペシャル2024」(日時未定)に、若手俳優の小林虎之介が出演することが分かった。研修医・瀬戸廉役で吉沢と初共演し、同局のドラマに初出演を果たす。

「PICU 小児集中治療室」は、22年10月期に「月9」枠でオンエアされた。北海道のPICU(小児専門の集中治療室)を舞台に、“しこちゃん先生”こと駆け出しの小児科医・志子田武四郎(吉沢)が幼い命を救うために奮闘しながら、医師として、人間として成長していく姿を描いたメディカル・ヒューマンドラマだ。連ドラに引き続き、脚本は倉光泰子氏が手掛け、演出を平野眞氏が務め、新しい命が芽吹く春の季節に“命の物語”を温かく繊細に紡いでいく。

連ドラでは、大規模なPICUの運営は極めて困難とされる広大な北海道で、武四郎が丘珠(おかだま)病院のPICU科長・植野元(安田顕)ら先輩医師と共に、どんな子どもでも受け入れられるPICUを作るため、そして、ドクタージェットの運用を実現するために奔走する姿が描かれた。毎話放送後には、SNSに感動の声があふれ、終了後も続編を望む声が数多く寄せられた。

小林が演じる瀬戸は、武四郎に初めてできた後輩。失敗や挫折を繰り返しながら少しずつ成長してきた武四郎が、2人の研修医の指導係に任命され奮闘する姿も、今作の見どころの一つとなる。先輩になった武四郎がどんな立ち振る舞いを見せてくれるのか、彼の成長ぶりに注目だ。

後期臨床研修のため、丘珠病院PICU科に研修医の瀬戸と七尾乃亜がやって来る。植野から2人の指導係に任命された武四郎は、初めてできた後輩の存在に喜びを隠せない様子だが、瀬戸と七尾はそっけなく、「植野先生には指導してもらえないんですね」と武四郎のことを小ばかにした態度を取る。というもの、瀬戸は東京の大病院の御曹司。東大卒の両親をもつサラブレッドで、かつ甘いマスクで女性からの人気も高い。その上、語学も堪能。武四郎から「PICUマニュアル」を渡された際には「もう読みました。英語版を」と答えて閉口させ、武四郎は瀬戸、七尾との接し方を模索することになる。

そんなある日、生後間もない女の子が搬送されてくる。公園に捨てられていたところを通行人によって発見されたのだが、へその緒を雑に切られたことが原因で皮膚が傷つき蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症していた。患部は赤黒く腫れ高熱も続いていたため、受け入れ後すぐにオペを決行。術後管理を武四郎と綿貫りさ(木村文乃)が担当することになるが、予断を許さない状況が続く。

その矢先、利尻島で起きた事故で重傷を負った姉弟が搬送されてくる。10歳の姉、8歳の弟は、ともに重症で緊急オペが必要だが、オペ室は1室しか空いていない。そこで武四郎はPICUへの搬送を指示する。

研修医の瀬戸、七尾はPICUの現場で何を感じ、どう行動するのか。マニュアルや本の知識だけでは到底超えられない残酷な現実を前に、武四郎と共に成長していく姿は必見だ。

小林は、23年10月期の連続ドラマ「下剋上球児」(TBS系)で高校球児役を演じたのも記憶に新しい。「遺留捜査スペシャル」(テレビ朝日系)、「紅さすライフ」(日本テレビ系)などのドラマにも出演するなど、活躍の幅を広げている。

オファーを受けて「とても驚きました。あの温かいストーリーの中に入れると思うとワクワクしましたし、同時に生命に関わる内容なので心がキュッと引き締まりました」と初々しいコメントを発表した小林。台本を読んで、自身の役柄について「僕が演じる研修医の瀬戸は、主に志子田先生といることが多いんです。悪いヤツではないんですけど、真っすぐすぎるあまり勘違いもされやすくて(笑)。台本でも“…”の描写が多いので、ささいな感情や表情を大切にしていこうと思いました」と印象を述べる。

加えて「僕はスペシャルドラマからの参加なので、すでに出来上がったチームの中に入る不安も少しあったのですが、皆さん本当に優しくて、とてもいい雰囲気の中でやらせていただいています。常にお芝居がすてきな方々に囲まれていますし、平野監督も撮影の中でたくさん話し合いをしてくださるので、僕にとって学びの多い現場です」と謙虚に報告。

主演の吉沢とは初共演。「吉沢さんのお芝居を見ていると、肩の力がスッと抜けます。すべて見たものや相手の声を受け入れてお芝居されているのでとても自然で。こんなお芝居ができるようになりたい、と思いながら共演させていただいているので、毎日が学びです」と言い、真摯(しんし)な姿勢でがうかがえる。

役づくりをするにあたって、撮影に入る前に都立小児総合医療センターを見学したそうで「実際の医療の現場には生後間もない赤ちゃんが何人も入院しています。全員が家族と暮らすことが難しい状況で…。僕は医者ではありませんが、『この子たちを早くおうちに帰してあげたい』と素直に思いました。その気持ちは役を演じる上で一番と言っていいほど大切にしていますし、今も忘れないように1シーン・1シーン、丁寧に作っています」と力を込める。

最後にあらためて「約1年半ぶりに『PICU』が放送されます。今回はいつものPICUメンバーに加え研修医の瀬戸、七尾の2人が加わり、志子田先生の先輩としての姿が見られます。知識だけは豊富な研修医・瀬戸が医療現場で目の当たりにする現実にどう立ち向かっていくのか。そしてそんな瀬戸を支える志子田先生にも注目して見ていただけるとうれしいです。『PICUスペシャル』、お楽しみに!」とアピールした。

ドラマを手掛ける金城綾香プロデューサーは、小林の起用に関して「小林さんは、真っすぐな瞳が印象的な方で、実直なお人柄がお芝居にもにじみ出ていらっしゃるなと思っていました。志子田先生に、新しい物語の中では後輩と向き合ってほしいと考えた時に、小林さんの瞳を思い返しまして、今回オファーさせていただきました」と明かす。

続けて「志子田先生は、まだまだ成長途中ですが、成長途中の人間だからこそ、いろいろな人に教えてあげられることがあると思います。若い医師が切磋琢磨(せっさたくま)する様子も、物語の中で楽しみにしていただければと思っています」と呼び掛けている。

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