自身から夫殺しの容疑を晴らすために必要なのは”真実以外” 「落下の解剖学」本編映像

2024年2月23日より劇場公開される、第76回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した映画「落下の解剖学」の、本編映像の一部が公開された。

不審な転落死を遂げた夫の死因が事故か自殺か他殺か、警察の捜査の結論が出ていない中、妻サンドラは、過去に付き合いがあった弁護士のヴァンサンに助けを求める。やがてヴァンサンから、「現場にいたのは君だけ、それに君は彼の妻」「君が寝てる間に誰かが来て殺したと、主張するのは無理があるだろう」と、客観的な事実が淡々と伝えられる。それを聞いたサンドラは「待って、私は殺してない」と思わず口を挟むが、「問題なのはそこじゃない」とヴァンサンは一蹴、自身から夫殺しの容疑を晴らすために必要なのは”真実以外”であるという現実が突きつけられる。

「落下の解剖学」は、人里離れた雪山の山荘で起こった男性の転落死から始まる物語。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。事件の真相を追っていく中で、夫婦の秘密やうそが暴露され、登場人物の数だけ真実が現れていく。

監督は、長編映画4作品目となるジュスティーヌ・トリエ。主人公サンドラ役を、「ありがとう、トニ・エルドマン」などのザンドラ・ヒュラーが務め、作家としての知的なポーカーフェイスの下で、底なしの冷酷さと自我を爆発させる演技を見せている。先日発表された第81回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、主演女優賞(ドラマ部門/ザンドラ・ヒュラー)、脚本賞、外国語映画賞の4部門にノミネートされている。

©Carole Bethuel

【作品情報】
落下の解剖学
2024年2月23日(金・祝) TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
配給:ギャガ
©2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne‐Rhône‐Alpes Cinéma

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