能登半島地震では、地面から泥水が噴き出したりする「液状化現象」があちこちで起きました。東海地方でもかつて、この液状化を目の当たりにした被災者がいます。
大きく波打つ地面。ここは、能登半島地震で震度5弱を観測した石川県内灘町(うちなだまち)です。
奥の歩道が割れるように浮き上がり、手前の敷地には亀裂が。
すると、どこからともなく泥水があふれてきました。「液状化現象」とみられます。
13年前の東日本大震災でも、深刻な被害が出ました。
「液状化」は、砂や水をふくんだ土地が地震によって強くゆすられ、砂が沈む一方で、地中の水が上がってきて地表が軟らかくなり噴き出したりする現象です。
私達が暮らす東海地方でも特に「海抜ゼロメートル地帯」で「液状化」の被害が懸念されています。
三重県北部から愛知県北西部、岐阜県南西部に広がる濃尾平野。木曽三川と呼ばれる木曽、長良、揖斐の3本の大きな川が流れる下流部は、地面の高さが満潮時の海面よりも低い「海抜ゼロメートル地帯」です。
この地域では、1944年の「昭和東南海地震」で深刻な液状化の被害が出ました。
地面が「パクパク」と呼吸をするように…
(平野安興さん・2022年)
「べとべとの泥水が地面の上まで上がっていた」
三重県桑名市多度町に住む平野安興さんは、7歳の時に昭和東南海地震で被災。自宅の庭で液状化現象を目の当たりにしました。
(平野さん)
「液状化。ヘドロがべとべとだった」
また、桑名市長島町の丹羽量平さんは、平野さんの自宅から約11キロ離れた「国民学校」で被災。当時、9歳でした。
(丹羽さん)
「運動場に出たら地面が『パクパク』と呼吸をするように割れたり、閉まったりしている」
丹羽さんの証言を聞いた「地盤工学」が専門の名古屋大学の野田利弘教授は。
(名古屋大学・野田利弘教授)
「東日本大震災でも『ぱくぱくする』ような映像が残っているのでそれと同じような現象が起きた。また大きな地震がやってきたら再液状化、つまり液状化がもう一回起きる。液状化は何度でも起きる」
そして12日、名古屋市内で「液状化」について聞きました。
(20代会社員)
「(液状化で)地面が割れている状況は映像で見た。今度、福島県の方に引っ越す。内陸ではあるが、いつ(地震が)きてもおかしくないので、備えはしておこうと思う」
(60代無職)
「(液状化は)怖い。下から水が押し上がってくるのは…すごいですよね。今回の能登半島地震も。(Q.どこに住んでいる?)清須市。東海豪雨を経験しているから水が怖いです。きちんと(ハザードマップを)見直ししないといけない。いつ(地震が)くるかわからないし」
(50代会社員)
「(Q.どこに住んでいる?)刈谷市。周りは昔は田んぼだったので(地盤が)ゆるいはゆるいと思う。ハザードマップっていうんですか、ここが危険だという。それで取ります情報は」
ひとりひとりが自分の暮らす街の想定される「液状化」のリスクを今一度ハザードマップで確認し、建物の耐震化をチェックすることが大事です。