【日経新春杯/追い切り診断】実績上位も……まさかの辛口「B」評価 「調整過程に迷走の感が漂う」

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■ハーツコンチェルト

【中間調整】東スポ杯で3着に入るなど早期から活躍。昨年春は青葉賞2着をステップに、日本ダービーでは出遅れがありながら長くいい脚を使ってタスティエーラにクビ+ハナの3着に食い込んだ。昨年秋、三冠目の菊花賞は下がってきた馬を捌き切れず道中でバランスを崩す場面があって6着までだった。

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賞金的に3勝クラス(新馬戦勝利+青葉賞2着)であり、格上挑戦の有利なハンデで戦えることから次走は日経新春杯に設定された。12月中旬に帰厩し13日に初時計。以降、ウッドと坂路を併用するいつも通りの調整が進んでいる。1週前追いはウッドコースで3頭併せ。まずまずの迫力はあったものの、仕掛けられての反応に鈍さがあり鞍上に結構手を焼かせるような内容だった。

【最終追い切り】レース当週はウッドで京成杯に出走するアーバンシックとの最終スパーリング。外先導で入り直線入口から併走となるが、一瞬トボけたような面を見せ、相手に半馬身ほどのリードを許してしまう。そこから鞍上がグイグイ仕掛けてなんとか併入に持ち込んだものの、手応えではかなり見劣っていた。

【見解】馬体はある程度引き締まっているし、いざギアが入ってからの伸びも力強い。体調面は悪くなさそうだが、やはり精神面がいかにも整っていないような状況なのは気になる。昨年秋、関西圏の2戦はいずれも栗東に入厩して最終調整していた。神戸新聞杯5着、菊花賞6着と思ったほどの結果が出なかったにしても、今回は美浦での最終調整に戻すあたりは迷走の感が漂うところだ。人気ほどの信頼は置きづらい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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