【日経新春杯/追い切り診断】想定“10人気”前後に「A」の高評価 「攻め気配は前走時とは段違い」

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■ハーツイストワール

【中間調整】晩成の血が開花し6歳シーズンの2022年にオープン入り。リステッドの札幌日経オープンを勝ち、アルゼンチン共和国杯では2着に食い込んだ。そのまま長距離重賞の常連となるか……と思われたが、2022年ジャパンC後からの放牧中に脚元不安が判明したようで休養は長期に。結局11カ月間の休みとなり、昨年11月のアルゼンチン共和国杯で戦線復帰を果たした。脚元のことを考慮して坂路オンリーの手緩い仕上げで臨まざるを得なかったが、後方から脚を伸ばして0秒4差6着と見せ場十分の内容だった。

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その後目立った反動がなかったようで、日経新春杯を視野に短期放牧。12月17日の帰厩後初時計はさっそくウッドで併せ馬をこなし、脚元の不安はほぼ解消したようだ。以降の調整は順調に進み12月20日には坂路4F50秒8(馬なり)という猛時計を楽にマーク。1週前追いだった1月3日の坂路でも終いだけ重点で4F52秒1(強め)と休養以前よりさらにパワーアップを果たした印象さえある。

【最終追い切り】レース当週はウッドで併せ馬。今週土曜のニューイヤーSへ出走予定のオープン馬パラレルヴィジョンを外で先導する形で入り、4角途中で迎え入れて併走状態に持ち込むと、最後まで馬なりを保ったまま軽快に回転数を上げ併入とした。ブレが少なく、力感あふれるフォームが印象的。

【見解】長期休養明けだった前走はあきらかに慎重な仕上げだったが、それでも本番で崩れなかった。年齢的にはベテランだが、晩成タイプとあって休養前よりグンと力をつけたのかもしれない。ブランク明けを使われた反動が軽微だったようで、ウッドを併用する本来のペースで調整されているこの中間の動きは豪快そのもの。攻め気配は前走時とは段違いだ。実戦でのパフォーマンスも大きく変わってきそう。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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