ヴィッセル神戸・MF斉藤が完全移籍 保有元の湘南から 初優勝の快進撃支える

完全移籍での加入が決まった斉藤未月

 J1神戸は12日、昨季J1湘南から期限付き移籍で加入し、左膝の大けがから復帰を目指すMF斉藤未月を完全移籍で獲得したと発表した。引き続き16番を背負う25歳は神戸市内で会見し「丁寧に根気よく治したい。活躍し、チームのためになりたい」と力強いまなざしを向けた。

 斉藤は昨季、中盤を走り回る運動量とボール奪取力を武器に、リーグ初優勝へのキーマンになっていたが、8月の柏戦で全治約1年の重傷を負った。クラブは日本代表級の活躍だけでなく、けがをした直後に見せた人間性から完全移籍による全面サポートに動いた。

 永井秀樹スポーツダイレクターが会見で決め手を明かした。駆けつけた病院で医師に「この痛みに耐えられる人はいない」と聞かされたが、166センチと小柄な青年は「悲しい顔をしないでください。大丈夫、絶対に復帰しますよ」と笑っていた。神戸残留を希望した斉藤の意向も踏まえて湘南と交渉し、オプション付きの3年契約で獲得。千布勇気社長は「焦らずゆっくり治してほしいという願いを込めた」と契約期間を説明した。

 昨年11月、斉藤は2度目の手術を受けた。リハビリは順調といい、ピッチへの返り咲きを願う神戸サポーターのエールは「言霊、本当に力になる」と感謝する。実現へ、復活ロードを歩む。(有島弘記)

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