「温かいものを…」炊き出し現場では調理担当も被災者 車中泊の男性「お腹が安心する」【被災地ルポ/石川・輪島市】

甚大な被害が出ている能登半島地震。石川県輪島市の大規模な火災現場では、警察が部隊を増員して捜索を行っています。一方、現地ではいまだ停電・断水が続いていて、炊き出しが行われています。

一面焼け野原の輪島朝市通りで懸命の捜索活動

和田佳代子記者:「一面焼け野原となった輪島朝市通りの火災現場です。あちらでは多くの警察官が、スコップを使って瓦礫を運ぶなど、安否不明者の捜索活動を行っています」

火災が発生した輪島市の観光名所「朝市通り」では、店舗や住宅など200棟以上が焼けたとみられています。大規模な捜索は4日目を迎え、警察は12日、捜索態勢をおよそ200人に増員したということです。午後2時時点で、石川県内の死者数は215人、14人が、震災後の体調悪化による災害関連死とされています。連絡の取れていない安否不明者は石川県全体で28人、そのうち22人が輪島市の住民です。

炊き出しの現場~調理しているのも被災者

静岡朝日テレビの取材クルーは今週、いまだ電気や水道が回復していない輪島市河井町に向かいました。

和田記者:「輪島市の山間部を走っています。雪が降り積もっていて辺りは真っ白です。8日、輪島市内は雪に包まれていました」

輪島塗など、伝統工芸体験ができる施設では、ボランティアの炊き出しの準備が行われていました。この日作られていたのは1400食分のカレー。メーンで調理しているのは、同じ市内の飲食店のオーナーたち。彼らも被災者です。

フレンチシェフ 池端隼也さん:「僕の店も裏の店もくちゃくちゃになっているところから引っ張り出して、最初は。ちょうど正月だったので、みんなこの辺は2日から営業するんですけど、冷蔵庫・冷凍庫ぱんぱんに入っていたのを、みんなで引っ張り出して」

池端さんは発災の翌日から、近所の飲食店仲間と炊き出しや避難所に料理を届ける活動を行っています。

池端隼也さん:「震災が起きてから、おにぎり冷たいやつが1個だけだったんですね、その避難所が。やはり温かいものを食べてない人が多い。きょうも雪が降りましたし、僕は料理人なんで、とりあえず温かいものを届けようと思っています」

被災者(男性):「駅前で車中泊をしているんですけど、やっぱり寒いですよ、お腹が安心する」

被災者(家族):「温かくておいしいです。(温かいものは)家で回数少ないですけど、お湯を沸かしてスープを飲むくらいなので、ありがたいですね。本当においしいです」

被災者(家族):「まだ余震とか続いているんで、ちょっと不安なんですけど、職場が結構つぶれちゃったんで、再開できるかという不安はまだあるんですけどね。頑張っていくしかないかな」

被災者(子どもに):「おいちい? よかったわ」

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