朝はパン1個、昼食なし、夜は炊き出しあれば…届きにくい救援物資 【被災地報告/石川・輪島市】

Q.1月6日から5日間、石川県輪島市を取材した和田記者とお伝えします。被災地はどんな様子でした?

和田佳代子記者:「火災現場のすぐ近くに住む70代の男性は、10日が経っても、朝ごはんはパン1個、昼食はなく、夜は炊き出しがあれば食べられるけれども、時間も量もバラバラ。避難所では人が多すぎて廊下で寝ていると話していました」

Q.輪島市には支援の手が届きにくいということでしょうか

和田記者:「救援物資を届ける人が急激に減ったと感じていて、個々の人間では解決できない規模の被害なので、行政など組織的な対応で安定した物資を届けてほしいと話していました」

地域コミュニティの大切さ

Q.被災地の状況は?

和田記者:「まだまだ断水、停電が続いている状況です。テレビ、携帯は使えない、新聞も届かない、なおかつ輪島は高齢者が多く、多くの情報は地域住民同士で共有していると伺いました。インターネットが普及した現代ですが、人と人とのコミュニケーションがとても大切なのだと感じました」

2次避難の難しさ ふるさとへの愛

Q.岸田総理は、命と健康を守るためにも、インフラが整ったより安全な環境への移動を積極的に検討するよう、いわゆる2次避難を呼びかけていますね。

和田記者:「はい、ただそれを加速させるためには重要なポイントがあります。輪島市の人口は2万3000人で、そのうち65歳以上は1万1000人。高齢者が全体のおよそ5割を占めています。多くの高齢者へ2次避難などの情報を届けること、そして生まれ育ったふるさとを一度離れるという決断を促すことは、なかなか難しい課題だと現地で取材して感じました」

静岡県の課題は

Q.静岡県でも同じような課題があるのですか?

和田記者:「静岡県でも、南海トラフ地震などの災害時に備えて周辺の自治体へ避難するいわゆる広域避難計画が立てられていますが、いざという時に住民が選択できるのか、そして行政はそれを促せるのか。一筋縄ではいかない難しさがあると思います」

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