能登半島地震後 “耐震診断”の問い合わせが急増 診断の現場で見えたのは…

能登半島地震の発生後、無料の耐震診断についての問い合わせが、急増しています。

能登半島地震の発生から12日目。石川県内では至る所で木造住宅が倒壊し、深刻な被害となっています。

この状況を受けて…

愛知県豊田市の木造2階建て住宅に暮らす菅沼康郎さん(61)。

(愛知建築士会 豊田支部 原田直樹支部長)
「耐震性だけが心配?」

(菅沼康郎さん)
「寝室も一階なのでバシャンとつぶれたらおしまいなので…」

菅沼さんは12日、自宅の耐震診断を行いました。

日本では1950年から1981年5月まで適用されていた旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも家屋の倒壊・崩壊がおきないというものでした。

しかし、1978年6月。最大震度5の宮城県沖地震では住宅の全半壊が4300戸あまり。一部損壊は86000戸あまりと大きな被害を受けました。

そこで、1981年6月1日以降の建物については、耐震基準が見直されたのです。

現在もその基準は適用され、震度6強から7程度の揺れにも耐えられるとされています。

新たな耐震基準が生まれたことで、1981年5月31日以前に建てられた木造住宅に対しては、これまで各自治体は無料で耐震診断を行ってきました。

菅沼さん宅は1978年に建てられたもので現在、子どもは巣立ち妻と2人暮らし。

2人は1階にいることが多く、大地震で下敷きにならないためにも無料診断を受けることに。

診断の時間は、約1時間半。診断員は基準に照らし合わせ、壁や柱をくまなくチェックしました。

(原田支部長)
「だいたい日本家屋の南側・東側は明かりや風を通すために大きな開口部がある。北側は細かい水回りがあって、昔は換気扇がなくて窓を大きくつける傾向がある」

そして、外を見てみると…

(原田支部長)
「これがブロックの腰壁。地震があると、ぼろっと崩れます」

古いコンクリートブロックは、補強が必要です。

診断結果は、2~3週間後に伝えられるということです。

さて、豊田市の木造住宅の耐震診断に関する問い合わせは、能登半島地震の発生前は1か月に15件ほど。しかし、1月はすでに10件寄せられているということです。

(豊田市 建築相談課 山田淳司さん)
「住宅が倒壊すると、圧迫死や窒息死以外にも火災の延焼や道路の閉鎖につながる。市民の皆様には、耐震診断や耐震改修の補助制度の活用を通じて耐震化促進の検討をしていただけたら」

豊田市では診断で耐震性が不十分で改修工事を行った場合、最大100万円の補助をしています。2023年度分の木造住宅の耐震診断の申し込みは1月末までです。

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