ブギウギ第15週振りかえり・ワテらはもう自由や

「スウィングの女王」とよばれる人気歌手のヒロインが、やがて戦後を代表するスター歌手となる波瀾万丈な人生を描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。1月13日の放送では、「ワテらはもう自由や」と題する第15週(1月8日〜12日放送)を振りかえる。

客席の歓声のなか、『ラッパと娘』を全力で披露するスズ子(趣里)(C)NHK

■ それぞれの地で終戦の日を迎えるスズ子たち

1945年(昭和20年)8月15日。日本は終戦の日を迎え、ヒロイン・スズ子(趣里)たちは巡業先の富山で玉音放送を聞く。同じく、鹿児島の海軍基地を慰問した「ブルースの女王」こと茨田りつ子(菊地凛子)も敗戦を知る。慰問先で、自分の歌が「死に征く」特攻隊員の後押しをしてしまったと悟ったりつ子は、その出来事で心に傷を負っていた。

玉音放送から日本の敗戦を知るスズ子(趣里)(C)NHK

慰問先の公演が中止となったスズ子たち楽団は、混み合う汽車に乗って東京へと戻る。不安を抱えたまま自宅へと戻ったスズ子は、無事に恋人の愛助(水上恒司)と再会を果たす。香川にいる父や、大阪の仲間たちの安否はわからないままだが、彼らを案じながらもたくましく生きる決意をする。

一方、敵地の上海で活動をしていた作曲家の羽鳥(草彅剛)は、日本に戻ることができるかどうかわからず不安にかられていた。そして、自室で作曲をしていた羽鳥は見知らぬ男に銃をつきつけられ、連行されてしまう。

■ 劇場公演が再開、スズ子とりつ子が魂を込めて歌う

終戦から3カ月、世のなかはまだまだ混乱が続き、スズ子もいまだ公演が出来ずにいた。そんななか、結核を患っていた愛助の病状が落ち着き、大学への復学を決める。愛助のお祝いをするため、付き人の小夜(富田望生)と一緒に闇市に出掛けたスズ子は、帰りに運試しで宝くじを購入しようとする。そこで、小夜はあるひとりの米兵・サム(ジャック・ケネディ)と出会うのだった。

小夜(富田望生)を誘うサム(ジャック・ケネディ)(C)NHK

ほどなくして、ついに劇場が再開することとなり、スズ子たちに公演の依頼が舞い込んでくる。久しぶりの公演に意気込む楽団員たちと曲順を話し合い、1曲目を戦時中は封印していた『ラッパと娘』に決める。しかし、スズ子はかつての感覚を取り戻せるか少し不安も抱えていた。

そして迎えた公演当日、スズ子は同じく公演に出演するりつ子と再会する。慰問先で出会った特攻隊員たちの姿が忘れられないというりつ子は、隊員たちへの思いを抱きながら『別れのブルース』を歌い、観客たちの心を打つ。

強い思いで『別れのブルース』を唄い上げるりつ子(菊池凛子)(C)NHK

りつ子に続き、ついにスズ子がステージに立つ。『ラッパと娘』を全力で歌って踊り、観客を沸かせたスズ子。公演後、上海から帰ってきた作曲家・羽鳥も楽屋を訪れる。終戦時に上海で3カ月間拘束されていたがなんとか帰国し、スズ子たちと再会した羽鳥は、ふたりの歌を褒めるのだった。

■ スズ子、楽団の解散を決断する

劇場公演が再開してから、スズ子の楽団には依頼が殺到するが、あまりの多忙さに楽団員の予定が合わず、遅刻や早退する者が出始める。さらに、付き人の小夜までも体調が悪いと早退する日が続き始めた。

楽団員たちにとある決断を伝えるスズ子(趣里)と、その姿を見つめる小夜(富田望生)(C)NHK

楽団員の現状を知ったスズ子は、ほかのステージの依頼も増えはじめた楽団員たちが自由に仕事ができるように、「福来スズ子とその楽団」の解散を申し出る。それを聞いて、小夜(富田望生)は付き人を辞めたいとスズ子に言い出して・・・。

作は、戦後「ブギの女王」として一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに、歌の才能を開花させて上京したヒロインが、昭和を代表するスター歌手として激動の時代を生き抜いていく物語。土曜日はその週の振りかえり。

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