耐震診断をするか否かのポイントは「1981年」と「2000年」 耐震化されていない建物を揺らす実験から見える危険性 

(夏目みな美キャスター)
今回の能登半島地震では液状化による深刻な被害が出ています。

(山内彩加アナウンサー)
はい。マンホールが突出してしまったり、泥水が噴き出してきたり、建物が斜めに傾いたり。地面の陥没も見られました。

(夏目キャスター)
今、ご自身が住んでいる場所を変えるというのは、なかなかできないかと思います。ではそんな中で私たちに何ができるんでしょうか。

まずは自治体のハザードマップをチェック

(大石邦彦アンカーマン)
そうですね。まずはご自身が住んでいる場所が、どんな場所なのかというのを確認していただきたいんです。各自治体がハザードマップを出しています。地震の場合液状化現象が起きるのかどうかとか、洪水が起きるのかどうか…そういったことはハザードマップを見てください。

例えば名古屋市だと、子どもにもわかりやすいような、ふりがな付きのものもあります。

そして名古屋の場合、外国人の皆さんがたくさん来ているので、英語・中国語・ベトナム語など8か国語に対応できるようなものもありますので、まずはご自身が住んでいる場所のリスクを確認してほしいと思います。

【実験】耐震化されていない建物はねじれるように…

(夏目キャスター)
確認すると、今度は行動が変わってくるということになります。

(大石アンカーマン)
そうですね。例えば沿岸部であれば、地震が来たら津波が来るから逃げろということになりますけれども、津波が来る前に建物が潰れてしまったら、これなくなってしまいます。そういう意味では耐震化はとっても大事なんです。では、耐震化されていないとどうなるのかご覧いただきましょう。

(大石アンカーマン)
耐震補強してある建物と、していない建物。無補強の建物はグラグラ揺れて、このように倒れてしまうわけです。どうやって倒れているかというと、ねじれるように1階の柱折れましたよね。壁が取れてこのようになるんです。

(夏目キャスター)
はい。びっくりするのが、1階部分がペチャンと潰れてしまうまでの時間が早いなと思って。揺れに驚いている間にペシャンとなってしまうんじゃないかという、非常に恐怖を感じますね。

(大石アンカーマン)
そうですね。そして中の映像で出ていましたけれども、やっぱりあの場合ですと、もうこのまま下敷きになってしまうのかなという、見てるだけで本当に恐ろしい映像です。でも実際に、能登でもこのようなことが起きていた可能性が考えられるんです。

(夏目キャスター)
築年数が古い木造家屋は確かに倒壊のリスクが高いんじゃないかと、何となく感じるんですけれども、その耐震化の問題はどういうところで判断したらいいんでしょうか。

「1981年」か「2000年」か この二つの年を目安に

(大石アンカーマン)
はい、これは“二つの年”を頭に入れていただきたいんです。耐震診断をするか否かなんですけども、これは「1981年」か「2000年」か、この二つの年を目安にしてください。1981年以前に建てられた建物というのは、旧耐震基準、古い耐震基準で作られた建物で、震度5強程度の地震でも倒壊しないという基準です。この方は耐震診断が必要です。

(大石邦彦アンカーマン)
1981年以降のものは新しい耐震基準になってくるんですけれども、これは震度6強程度の大きな地震でも倒壊しないという基準です。2000年に法改正があって、耐震基準がより厳しくなったんですね。

(大石アンカーマン)
どう厳しくなったかというと、例えば木材と木材の連結部分、接合部を金具で留めるようにしたわけです。そうすると、より倒壊しにくくなるということなんです。しかし、1981年以降に建てられたものであっても、2000年以前のものは耐震診断した方がいいんではないかというふうに耐震診断士の方も言っていましたので、この二つの年号を目安に、ぜひ皆さん一度調べてみてください。

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