ファンが気品あふれる大作と対話 院展岡山会場14日まで

じっくりと作品を堪能する入場者ら

 岡山市北区表町、天満屋岡山店6階葦川(いせん)会館で開催中の「第108回院展」岡山会場(日本美術院、山陽新聞社主催)は14日まで。12日もファンらが次々と訪れ、気品あふれる大作との対話を楽しんだ。

 画壇の重鎮から郷土の気鋭まで59点を展示。西田俊英氏の「瀧の洞窟・禅」は深い精神性が胸を打ち、小田野尚之氏の「競馬場跡」では過ぎた時間と失われた栄光に思いを誘う。入場者は顔を近づけて筆致を確かめたり、友人と感想を語り合ったりするなど、一点一点の作品世界に浸っていた。

 桜の下で輪になって遊ぶ子どもたちを描いた村上裕二氏の「先生といっしょに」の前で足を止めていた会社員(68)=倉敷市=は「優しく心の中に入ってくるような作品の数々に、時間を忘れて見入ってしまいます」と話していた。

 14日午後1時と2時半から井手康人氏のギャラリートークがある。

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