鹿児島県西之表市馬毛島で自衛隊基地の本体工事が始まり、丸1年を迎えた12日、八板俊輔市長は「馬毛島はできれば変わらない姿であってほしい」と心情を語った。基地整備を巡り、市民の理解を得る過程で「国の準備不足」を指摘する一方、「現実の動きに対応し、市民の幸福のために最善の道を選択していく」と話した。
市役所で報道陣の取材に応じた。「馬毛島は緑が少なくなり、外観がだいぶ変わった」と1年間の所感を述べ、種子島側で生じた変化にも言及。「コンテナやプレハブが増え、落ち着いた街としては好ましい感じではない気がする一方、空き家が活用されるなどプラス面もある」と説明した。
この日も基地整備の賛否には踏み込まず、「防衛省との協議の場などを通じて判断材料をそろえたい」とするにとどめた。2025年に予定される次期市長選への対応についても明言を避けた。市街地では基地建設に反対する市民らが抗議活動をした。