米大統領、国防長官を擁護 入院問題、共和が辞任要求

12日、訪問先の米ペンシルベニア州で報道陣に話すバイデン大統領(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】バイデン米大統領は12日、自身に入院を伝えていなかったオースティン国防長官を「信頼している」と擁護した。訪問先の東部ペンシルベニア州で記者団に述べた。野党共和党の一部議員は「驚くほどの透明性の欠如だ」と批判し、オースティン氏の辞任を要求。バイデン氏が再選を狙う11月の大統領選に向けて政権批判の材料となった。

 バイデン氏は、今月1日に入院したオースティン氏が4日まで事実関係を伝達しなかったことに関し、判断に誤りがあったと指摘した。ただ、更迭はせず、職務を継続させる姿勢を示した。

 上院軍事委員会のウィッカー筆頭委員(共和党)は「国民の信頼に背いた」と非難。トランプ氏に近いローゼンデール下院議員(同)は、オースティン氏の弾劾訴追手続きに向けて行動を起こす考えを示した。

 国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は12日の会見で、オースティン氏が入院先で「切れ目なく」職務を続けていると説明。国防総省は11日、入院を巡る経緯や情報伝達の在り方について内部調査に着手した。

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