高校生お手柄 道に迷った高齢男性を保護、交番まで夜道4キロを同行 たつの

村本三千雄署長(左)から感謝状を贈られた川島笙寛さん(右から2人目)と両親=たつの署

 道に迷っていた高齢男性に声をかけ、約4キロ先の交番まで誘導したとして、たつの署は、龍野高校総合自然科学科2年生の川島笙寛(せいかん)さん(16)=兵庫県相生市=に署長感謝状を贈った。

 昨年12月12日夜、川島さんは自転車で下校中、相生市東部の住宅街で、道路の真ん中に電動アシスト自転車が倒れているのに気付いた。近くで80代男性が途方に暮れた様子で周囲に助けを求めていた。

 川島さんが事情を聴くと、買い物に出て家の方角が分からなくなったという。「竜野駅まで戻れば分かるんや」と男性。住所や電話番号は思い出せないようで、家路とは逆方向だったが、駅まで同行することにした。初めは自転車で並走したが、慣れない夜道で男性が転倒。「危ないから押して歩きましょう」と促し、ようやく駅に着いた。

 ところが男性は家の場所が思い出せず、川島さんは「とても一人にはできない」と最寄りの交番へ。警察官に男性を引き継いだ。

 男性はその後、無事に家へ帰ることができ、けがも軽傷で済んだという。

 10日の贈呈式で村本三千雄署長は「見て見ぬふりをする人も多い中で素晴らしい行動」とたたえた。

 実は当時、ゲームのやりすぎでスマートフォンを親に取り上げられていたという川島さん。「検索や通報ができずに苦労しました」と苦笑い。今回のお手柄もあってスマホは返してもらったそうだ。(直江 純)

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