防潮堤不備、鉄筋で補強 東海第2、原電が方針

久慈川河口から望む東海第2原発(右奥)=2022年3月14日撮影、日立市留町

日本原子力発電(原電)は12日、東海第2原発(茨城県東海村)で判明した防潮堤工事の不備の調査結果を発表した。基礎部分に充塡(じゅうてん)されていないコンクリートの厚さは最大20センチと推計。強度不足を補うため、鉄筋を追加補強する方針を示した。

原電によると、基礎部分のコンクリートの未充塡部分のうち、目視などで確認できたのは8カ所。厚さは最大で16センチだった。このほか音響探査により7カ所に未充塡があった。

調査結果を踏まえ、原電は未充塡だった場所を差し引いて、不足分の強度を算定。目視できる部分についてはコンクリートを加えて補修する一方、基礎部分の内部の鉄筋を追加して補強するとした。原電の担当者は「これらの対応により、当初予定していた強度を保てる」と説明した。

原電は同日、結果と対応方針を原子力規制庁に報告した。今後、同庁の評価を受けた上で補強に着手する。

一方、同様に強度不足が見込まれる別の柱の調査については、結果判明までに数カ月かかるとの見通しを示した。

東海第2原発では昨年6月、防潮堤の基礎部分にコンクリートが複数箇所で充塡されていないことや、骨格となる鉄筋の変形も確認された。原電は一部の工事を中断。同社の村松衛社長は11日、9月予定の安全対策工事の完了時期について「厳しい」との認識を示した。

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