ロシア、フーシ派攻撃を非難 米英「航行の自由」主張

米英両軍によるフーシ派支配地域への攻撃について協議する緊急公開会合で発言するロシアのネベンジャ国連大使(手前中央)=12日、ニューヨークの国連本部(共同)

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は12日、米英両軍によるイエメンの親イラン武装組織フーシ派支配地域への攻撃について協議する緊急公開会合を開いた。ロシアのネベンジャ国連大使は「あからさまな国連憲章違反だ」と攻撃を非難した。米英は「航行の自由を守るための自衛権の行使だ」と正当化した。

 国連のグテレス事務総長は会合に先立ち「全ての当事者に対し、これ以上事態を悪化させないよう求める」と自制を呼びかける声明を発表した。

 会合でネベンジャ氏は米英のイエメン領内への攻撃は「他国への武力侵攻だ」と指摘。「断固非難する」と述べた。

 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「非軍事的な選択肢では脅威への対処が不十分だと判明した。攻撃は必要で適切だった」と訴えた。英国のウッドワード国連大使も同様の見解を語った。

 イスラエルを敵視し、紅海で商船攻撃を繰り返してきたフーシ派は報復を主張。イランなども米英両軍の攻撃に反発しており、中東全体に緊張が拡大する恐れがある。

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