八戸えんぶり、4年ぶり通常開催決定 行列も従来ルートに 「活気戻ってくる」

 八戸地方えんぶり保存振興会(塚原隆市会長)は12日、関係者合同会議を青森県八戸市のユートリーで開き、八戸えんぶり(2月17~20日)を4年ぶりに通常開催することを決めた。昨年は新型コロナウイルス対策のため、17日の行列のルートを一部省略し時間を短縮していたが、コロナが5類に移行したことを受け従来のルートに戻す。

 八戸えんぶりは県南地方に春を呼ぶ祭りで、国重要無形民俗文化財に指定されている。五穀豊穣(ほうじょう)を祈る太夫の摺(す)りや子どもたちによる祝福芸などが披露される。長者山新羅神社での奉納摺りを皮切りに、中心街での行列や一斉摺り、御前えんぶり、お庭えんぶり、かがり火えんぶりなどが行われる。

 今年は、昨年より2組多い33組のえんぶり組が出場予定。会議で示された日程案などによると、昨年の行列は時間短縮のため廿六日町と荒町を経由するルートをなくしたが、今年は復活させる。一斉摺りは従来通りの十三日町、三日町、六日町、ヤグラ横町に加え、昨年と同様に十六日町でも実施する。

 このほか、行列の順番や一斉摺りの場所を決める札取りのため、各えんぶり組が夜を徹して長者山に入ることが、コロナ禍前と同様に可能となった。

 会議には、同振興会や各えんぶり組の関係者ら約100人が出席。塚原会長は「いろいろなえんぶり組を見て楽しみ方を知ってほしい。市全体をPRしていければ」、八戸地方えんぶり連合協議会の大館恒夫会長は「えんぶりの活気が(昨年以上に)戻ってくる。われわれの意気込みを見せたい」と話した。

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