ヒックス獲得のジャイアンツ 次なるターゲットはチャップマンか

日本時間1月13日、MLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者はジャイアンツが剛腕ジョーダン・ヒックスと4年4400万ドルで合意したことを報じた。ヒックスの年齢や実績を考えれば、4年4400万ドルという契約規模自体は驚くべきものではないが、米スポーツ専門チャンネル「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、ジャイアンツはヒックスを先発で起用することを考えているという。「ヒックスを先発投手として獲得する」というサプライズ補強は、ジャイアンツの今後の補強プランにどんな影響を与えるのだろうか。

ジャイアンツは先発補強としてブレイク・スネルの獲得を目指しているとみられていた。ファーハン・ザイディ編成本部長は「ヒックス獲得は必ずしも大物FA投手からの撤退を意味するものではない」といった趣旨の発言をしているものの、米全国紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は「ジャイアンツがスネルを獲得する可能性はほぼ消滅した」との見解。MLB公式サイトも「ヒックスを獲得したことで、今後はマット・チャップマンなど、ほかのターゲットに目を向ける可能性もある」としている。

もちろん、ジャイアンツの先発補強はヒックスだけでは十分と言えないだろう。ローガン・ウェブが先発の柱を務めるが、予想される開幕ローテーションはウェブのほか、カイル・ハリソン、ロス・ストリップリング、ヒックス、キートン・ウィンという顔ぶれ。前半戦のうちのアレックス・カッブ(左股関節の手術)、後半戦にはロビー・レイ(トミー・ジョン手術)が戻ってくる見込みだが、同地区の上位チームに対抗できる戦力が揃っているとは言い難いのが実情だ。

大谷翔平や山本由伸など、大物選手の獲得を目指したジャイアンツだったが、今オフもスーパースター獲得は実現せず。ヒックスのほかには、李政厚(イ・ジョンフ)と6年契約を結び、控え捕手としてトム・マーフィーを獲得したのが目立つ程度である。

サンフランシスコの治安も影響しているのか、スター選手にフラれ続けているジャイアンツ。スター選手の代わりに補強した選手たちも機能しているとは言えず、ザイディ編成本部長が加わった2019年シーズン以降、勝ち越したのは球団新記録の107勝を挙げた2021年だけである。2022年は81勝81敗と大きく後退し、昨季は79勝83敗で借金4。これだけ補強失敗が続くと、ザイディ編成本部長の責任問題へと発展していく可能性もありそうだ。

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