大学入学共通テスト1日目は2024年1月13日、全国一斉に行われた。大手予備校河合塾による各教科科目の問題分析を速報する。地理歴史の「世界史B」の分析は以下の通り。⇒【平均点】共通テストの平均点、中間発表を見る
世界史Bの難易度分析
すべての大問で資料(史料文・グラフ・図版・地図)の読み取りが必要であり、読み取りだけで解答できる問題もあるが、大半は資料やその解説文など複数の材料から必要な情報を読み取り、習得した知識と組み合わせて総合的に判断する問題。欧米史や前近代史からの出題が多い。本試験で初めて連動式の問題が出題された。
大問4題、マーク数33で、昨年の大問5題、マーク数34から減少。会話文を利用した問題は半減した。ただし、問題全体のページ数は変化がなく、資料(史料文・グラフ・図版・地図)の読み取り問題がすべての大問にあったこと、前近代史や欧米史からの出題が多かったことも昨年と同じだった。資料や会話文など複数の材料から必要な情報を読み取り、習得している知識と結び付けながら総合的に判断する問題が多く、注意深く解答することが必要である。
難易度
【やや易化】資料は多いが正誤判定をする際に参考にすべき箇所が昨年度に比べて明瞭であったこと、話しの方向性を見極めなくてはならない会話文が激減したことで読み取りやすい問題となったことなどから判断すると、やや易化したと思われる。
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出題傾向の分析
地域については、欧米史がアジア・アフリカ史よりも多く、欧米史ではヨーロッパ史からの、アジア・アフリカ史では中国史からの出題が多かった。一方でラテンアメリカ、オセアニア、東南アジア、サハラ以南のアフリカからの出題はなかった。分野では政治史が多いが、社会経済史・文化史もうまく組み込まれて出題されていた。時代については、昨年同様、近現代史より前近代史からの出題が多い。第二次世界大戦後からの出題は3問出題されており、第二次世界大戦後だけを扱う小問がなかった昨年に比べると増加したと言える。地図を読み取る問題はあったが、都市や地域の位置を問う従来の地図問題はなかった。すべての大問で資料(史料文・グラフ・図版・地図)の読み取り問題があり、資料や資料の説明文など複数の材料から必要な情報を読み取り、習得した知識と組み合わせながら総合的に判断する問題が多いのは、一昨年公表された「歴史総合,世界史探究」の試作問題と類似する方向性である。
出題分量
大問数4題・小問数33問で、大問数5題・小問数34問だった昨年より減少し、会話文を利用した問題が半減した。しかし、問題のページ数は昨年と同じ32ページであり、出題分量の大きな変化はない。
世界史Bの問題・解答
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各教科科目の分析
■1日目
⇒【英語】リーディング
⇒【英語】リスニング
⇒【国語】
⇒【地理歴史】世界史B
⇒【地理歴史】日本史B
⇒【地理歴史】地理B
⇒【公民】現代社会
⇒【公民】倫理
⇒【公民】政治経済
⇒【公民】倫理,政治経済
■2日目
⇒【数学1】数学1A
⇒【数学2】数学2B
⇒【理科1】物理基礎
⇒【理科1】化学基礎
⇒【理科1】生物基礎
⇒【理科1】地学基礎
⇒【理科2】物理
⇒【理科2】地学
⇒【理科2】生物
⇒【理科2】化学