政治刷新本部メンバーに裏金か 首相は当該議員の交代否定

報道陣の取材に応じる岸田首相=13日午後、首相官邸

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を踏まえ、党内に新設した政治刷新本部のメンバーに就いた複数の安倍派議員が、同派からパーティー収入の一部の還流を受け政治資金収支報告書に記載せず裏金にしていた可能性があることが分かった。関係者が13日、明らかにした。岸田文雄首相(党総裁)は不記載だった議員の交代を否定した。ただ総裁直属機関として発足したばかりの刷新本部の信頼性が揺らぎ、改革への本気度が問われかねない。

 首相は官邸で記者団に、刷新本部の人選について党執行部を中心に中堅、若手の意見も反映させるという観点から選んだとし「特定の派閥がどうこうというのではない」と説明。当該議員を交代させるかどうか問われ「党が一致結束して信頼回復のための議論を行うに当たって、特定の人間を排除するのは適切ではない」と述べた。

 刷新本部は本部長を務める首相を含め計38人で構成。事件の渦中にある安倍派からは、岡田直樹前沖縄北方担当相や野上浩太郎参院国対委員長、藤原崇青年局長、高橋はるみ女性局長ら10人が起用された。

11日、自民党本部で開かれた政治刷新本部の初会合=東京・永田町

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