幕下力士お手柄、人命救助 都内の入浴施設で男性意識不明

人命救助した立浪部屋の木竜皇=13日、東京都台東区

 大相撲の幕下力士、木竜皇(21)=本名坂本博一、千葉県出身、立浪部屋=が11日に東京都内の入浴施設で意識不明となった80代男性を人命救助していたことが13日、分かった。同日に東京都台東区の立浪部屋で「なかなかない経験。助かって本当に良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 本人によると、後輩力士とともに施設に出かけ、体を洗っていた時に異変が発生。浴槽につかっていた男性が水中に沈み、周囲が騒然となった。「溺れていて、危ないと思った」とすぐに数人と協力して引き上げ、心臓マッサージや人工呼吸を何度も繰り返した。男性は意識を取り戻し、救急搬送されたという。

 木竜皇は先代時津風親方(元幕内時津海)の長男。所属部屋が地元の防災訓練に参加した経験があり、救助の方法を覚えていたことが役立った。

 東幕下5枚目で臨む初場所(14日初日・両国国技館)を前にしたお手柄に「一番は起こらないことだけど、またあったらできるように訓練する」と話す。師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「とっさの判断で立派。部屋として誇らしい」とたたえた。

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