文詩集「おか山っ子」英訳版刊行 倉敷市立短大学長らグループ

「おか山っ子60号記念誌」小学生編の英訳を刊行した安達学長(中央)、松浦准教授(左)、森さん

 倉敷市立短大(同市児島稗田町)の安達励人学長を中心とするグループが、岡山県児童生徒文詩集「おか山っ子60号記念誌」(県教組主催)の小学生編を英訳し、刊行した。岡山弁の部分をローマ字表記するなど原文のニュアンスが伝わるよう工夫を重ね、約10年かけて完成させた。

 グループは安達学長(翻訳学)、同短大の松浦加寿子准教授(英語学)と元職員の森由紀子さん、地域に住む元英語教師の三宅洋子さんの計4人。記念誌は1990~2009年度の各年度発行分の選集で、感性豊かな文章が収録されていることから、広く世界に伝えていこうと、発刊された12年から英訳を始めた。英文としての読みやすさも重視し、米国のネーティブスピーカーにチェックしてもらい推敲(すいこう)を重ねた。

 小学生編は児童の作文87編と解説5編。例えば「石に けっぱんじいた(つまづいた)」という岡山弁は「Ishi ni…」とローマ字表記し、「I stumbled over a stone」と英訳を添えている。322ページ。米国の出版社が手がけ1冊29ドル66セント。購入などの問い合わせは同グループ(okayamakko60@gmail.com)。

 記念誌には中学生編も収められており、グループは英訳に着手している。ライフワークとして取り組むという安達学長は「筆者の子どもが感動したことなどを読者にそのまま伝えたいと努めた。国内での英語教材としても活用してほしい」と話している。

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