どんなことがあっても明日を信じる大切さ「神戸から教わった」 竹下景子さん、子どもらに震災にちなんだ詩など朗読

目に涙を浮かべながら詩を朗読する竹下景子さん(左)=神戸市中央区加納町6、こども本の森神戸

 阪神・淡路大震災の発生から29年を前に、俳優の竹下景子さんが被災者らが紡いだ詩などを朗読する「1.17おはなしコンサート」が13日、神戸市中央区加納町6の東遊園地内の文化施設「こども本の森神戸」であった。約70人を前に「どんなことがあっても明日を信じて生きることの大切さを神戸から教わった」と語った。

 竹下さんは神戸や東北で震災の記憶を語り継ぐ活動に長年取り組む。2022年には同施設の名誉館長に就任した。

 朗読したのは、災害にちなんだ作品を集めた詩集「明日への記憶」から選んだ4編のほか、都会や山あいの街などさまざまな朝の風景を描いた絵本「あさになったのでまどをあけますよ」。

 激しい揺れから自分を守ってくれた母親を思う「鼓動」や、両親らを失っても夢に向かって歩む「歌姫を夢見て」を読みながら目に涙を浮かべた竹下さん。「失ったものの悲しみはなくならないけど、互いに支え合い、未来に希望を感じて」と呼びかけた。

 同市垂水区、つつじが丘小4年の女児(10)は「悲しい気持ちになったけど、今日の話はずっと覚えておきたい」と話した。(門田晋一)

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