突然来る地震…命を守るため、生き延びるため必要なもの 南海トラフ巨大地震の想定は3分間の揺れ…その恐怖とは 静岡

地震から生き延びるために、備えが必要になってきます。今、静岡県の備えは十分なのか、取材をすると意識を変える必要があることが分かりました。

防災グッズ売り場

伊地健治アナウンサー:「静岡市内にある日用雑貨のお店です。ここでは能登半島地震が起きてから、こちら防災用品が飛ぶように売れているということなんです」

こちらは、静岡市の新静岡セノバに入っているハンズ静岡店。防災グッズの売り場には、長期間保存がきく飲料水や、災害時用の照明、水がいらないシャンプーやボディーソープなど、様々な商品が並んでいました。そして、驚いたのが、非常用食品の種類の多さです。

伊地アナ:「全体で何種類くらい」
ハンズ静岡店 伊藤慶昭さん:「4-50種類くらいあります。被災している方はつらいと思いますので…」

伊地アナ:「地震が起きた後、どんなものがどれだけ売り上げが伸びている?」
伊藤さん:「防災食品は震災後、2.7倍に伸びています。トイレキットは13倍」

そして、いま、特に需要が高いというのが、防寒グッズです。

ハンズ静岡店 伊藤慶昭さん:「家庭を持つ方も非常に多いが、若い人も意識は高まっているかなと」

震度7を体験

地震から命を守るために、そして避難生活を生き延びるために、どのような備えをすればよいのでしょうか。地震についての情報がそろう、県の地震防災センターに伺いました。ここでは、南海トラフ巨大地震について、知ることができます。

伊地アナ:「こちらは、震度7を体験できるシミュレーターです」

「今揺れ始めました。スクリーンに家の中の様子が写っています。最初はゆっくり、徐々に揺れ幅が大きくなってきました。オー、オーッ。座っていたら、とても立ち上がれないような揺れです。オー、怖い怖い」

何かにつかまっていなければ、飛ばされてしまうような揺れが震度7なんです。この揺れが突然来るということ。周りに家具があることを想像してみてください。さらに南海トラフ巨大地震では、揺れが収まるとすぐに津波が来ます。

伊地アナ:「今時間にしてどのくらい?」
職員「1分30秒くらい。南海トラフ巨大地震の揺れは、3分くらいと想定されてます」

耐震補強の重要性

そして、大きな地震が起きると建物はどのようになるのでしょうか。耐震補強をしてない家と、してある家の模型を使ってシミュレーションします。右側の家は、左側よりも筋交いが多く、屋根も軽い構造です。

耐震補強をしてない家はあっという間に倒壊してしまいました。

職員「揺れに強い家に住むことが、命を守るベースになる」

まずは地震から命を守るために、耐震化がいかに重要かがわかりますよね。さらに、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ったり、家具の転倒を防いだりすることも大切です。過去の地震では、倒れてきた家具で命を落とす人も少なくありませんでした。

職員「住む環境を安全に暮らせる状態に整えていただくことも大切です」

目で見る備蓄品「水がこんなに…」

そして、備蓄品については…。

伊地アナ:「水がたくさんありますね、2リットルが11本ですか」
職員「はい、1人1日3リットルと計算していただいて、2リットルのペットボトルでこのくらいになります。家族5人なら5倍です」

携帯トイレは、1人1日に5個、必要とされています。つまり、7日分だと1人35個、備える必要があるといいます。5人家族なら175個必要になります。

そして、もちろん食料品や、赤ちゃんがいる家族ではおむつやミルクなども、最低1週間分の備えが必要です。

今回の震災を受けて、このセンターを訪れたという方に話を聞きました。

来館した女性:「ここに来る前、金沢に住んでいたので、他人事じゃないなと。静岡で生まれたので、常に備えようと思っていたが、足りないときょう来てみて感じました。水ですね、3日分くらいしかないので、数週間は復旧にかかるので、水を増やそうと思ったところです」

私も、備えているつもりでしたが、それが十分かどうか、見直す必要性を強く感じました。

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