共通テスト1日目、難易度が高かった科目は…受験生の声 「国語の漢文、面白かった」生徒も

問題用紙が配られ、試験開始を待つ受験生=1月13日午前9時15分ごろ、福井県福井市の福井大学文京キャンパス

 大学入学共通テストが1月13日始まり、受験生が志望校合格への第一関門に挑んだ。入室から最長9時間の長丁場を終えた生徒らは「緊張しっぱなしで疲れた」「できた科目と厳しい科目がある」などと話し、理科と数学を行う14日の2日目へ気持ちを切り替えた。福井県内会場の大学側も警戒していた能登半島地震の余震は県内で日中観測されず、各大学によると開始遅延などのトラブルもなかった。

 福井市の福井大学文京キャンパスでは午前7時過ぎから、雨の中を受験生が次々に入場。元日の地震発生時も自宅で参考書を広げていたという武生東文系男子は「動揺したけど、集中力を切らさずに準備を続けた。ここまで来たらやるしかない」と気を引き締め、試験室に向かった。「試験中に揺れないか不安」(羽水文系女子)と余震を心配する生徒もいた。

 初日は地理歴史・公民、国語、外国語の4教科。各会場の受験生は近年の傾向と同様に、今回も図表や関連資料から考察する設問が多かったと振り返った。

 地理Bを選択した武生理系男子は「図表の多さは対策済み。例年より易しく感じた」と手応え十分。藤島理系男子は「国語の漢文は漢詩と資料を突き合わせて読み解く問題で、例年と少し傾向が違ったかも。ただ内容は面白かった」。一方、英語リーディングは多くの受験生が難しさを指摘し、勝山高文系女子は「傾向がかなり変わって戸惑ったが、同級生も苦しんでいたのでちょっと安心した。また明日ですね」と帰路に就いた。

⇒共通テスト2024難易度、全教科科目の問題分析一覧

 来年1月のテストから教科・科目が再編されるため、現行の6教科30科目で実施する最後の試験となる。1年浪人中の男性は「情報の教科が増えるので対策しなければならなくなる。経済的事情もあり、何としても今年大学へ行きたい」と臨んだ。

⇒【一覧】共通テスト、各教科科目の問題と解答

 この日は雨や雪が降り続き、福井大学文京キャンパスでは構内の看板が倒れるほどの強風が吹いたものの、各大学によると英語のリスニングを含めて試験室には影響がなかった。14日の県内は晴れ時々曇りの予報。

 県内3大学のうち、福井大で2人、福井工大で1人の計3人について追試験(27、28日、京都市)の申請が許可された。いずれも疾病のため。

© 株式会社福井新聞社