イーグルで残した“爪痕” 早大生アマ中野麟太朗「ここに戻ってきたい」

「アジアアマ」優勝を狙う一年が刺激的にスタート(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 2日目(12日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

最終18番(パー5)、4mのバーディパットはカップに沈んではくれなかった。「もうちょっと強く打って、(芝の)目を消して入れるつもりだったのに…。それを強く打てなかったのが名残惜しいというか…」。アマチュアの中野麟太朗(早大2年)は悔しそうにつぶやいた。

PGAツアーのレベルを肌で感じた(撮影/田辺安啓(JJ))

推薦で挑んだ、初めてのPGAツアーは予選ラウンド2日間で幕を閉じた。ハイライトは日没中断で早朝に持ち越した第1ラウンド9番(パー5)。残り170ydから8Iを握ったセカンドを右ピンの右サイド、狭いエリアに高弾道で落として2オン。3m弱をねじ込むイーグルを決めた。「“爪痕”ばっかり考えすぎて…」と苦笑しつつ、間違いなくポテンシャルを示した一打。「ただ、ああいうショットばっかり打つのがPGAツアーの選手でした」と振り返る。

第2ラウンド18番、同組のパーカー・クーディは左サイドのラフから180ydほどのショットでしっかりグリーンを捉えてきた。「どうせ(ライも)沈んでいるだろうなと思ったら、たっかい球で、グリーンにキャリーで乗っけてきた。僕ならゴロで乗っけるしかないな、と。ほかにも5番アイアンでピンを“筋(すじ)らせる”とか、想像できないですね。技術なのか、パワーなのか、両方なのか…」。2022年にプロ転向したクーディは、これがまだPGAツアー出場4試合目の24歳。“無名”でも、ハイレベルな選手がゴロゴロいると知った。

予選落ちで週末の予定は…(撮影/田辺安啓(JJ))

海外メジャー切符もかかる10月「アジアパシフィックアマチュア選手権」(静岡・太平洋C御殿場コース)での優勝を掲げてきた2024年の目標が、ひとつ増えた。「また来年、ここに戻ってきたい」。大会は近年、「ソニーオープン・チャレンジ」として冠スポンサーのソニーグループ株式会社が保有する選手招待枠の一部を日本ゴルフ協会(JGA)にも提供している。アマで実績を積むことが、カムバックにもつながっていく。

通算4オーバー130位。「思うようにプレーできなかったことも含めて成長。ここで求められたレベルを今すぐ…とは考えていない。1個ずつ積み重ねていった先に、こういう舞台で戦える技術がいつの間にかできている、そういう感じで一歩一歩を」。冷静に地道に、ゴルフの課題と向き合う。予選落ちで空いてしまった週末は「大学の課題も、こっちでやるしかないですね」と笑った。文武両道の20歳は、毎日が全力だ。(ハワイ州ホノルル/亀山泰宏)

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