「障害を自分事として考えて」全盲の67歳男性が若者らに訴え 京都・宮津の高校で人権講演会

障害を正しく理解する大切さを説く松永さん(宮津市上司・海洋高)

 多様性を認め合える社会の実現について学ぶ人権講演会が10日、京都府宮津市上司の海洋高で開かれた。京都視覚障害者支援センター理事で全盲の松永信也さん(67)が、先入観にとらわれず障害を正しく理解する大切さを説いた。

 松永さんは40代で網膜色素変性症により失明する前を振り返り「視覚障害者を大変そう、かわいそうと勝手に思っていた」と打ち明けた。当事者になった始めの頃は「生きていても仕方がない」と落ち込んだが、外出した際に他人から手助けしてもらうありがたみに感謝するようになったという。

 失明の原因として緑内障や糖尿病、交通事故を挙げ「後から障害者になることが多く、生きている限りみんなにも可能性はある」と指摘。「障害を自分事として考え、正しく理解することで障害者がより暮らしやすい社会を実現できる」と呼びかけた。

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