長崎県トラック協会 出所者、障害者雇用に関する研修会開催 「協力の裾野拡大を」

出所者らの雇用の流れなどについて説明が行われた研修会=長崎市松原町、県トラック協会研修会館

 長崎県トラック協会は12日、長崎市内で刑務所の出所者や精神・発達障害者らの雇用に関する研修会を初めて開いた。社会貢献と将来的な人手不足の解消につなげる狙い。会員ら約40人が参加。法務省関係者らが雇用促進に向け、協力の裾野を広げる必要性を強調した。
 同省福岡矯正管区矯正就労支援情報センター(コレワーク九州)の担当者が、出所者を対象にした求人から雇用までの流れを説明。「雇用は最大の再犯防止」と理解を求めた。長崎刑務所社会復帰支援部門の平川勝文首席矯正処遇官は「就労はできても継続が課題」だと指摘。福祉関係をはじめ、支援の協力者を増やしていきたい考えを述べた。
 長崎労働局の担当者は、県内の障害者雇用の現状と課題を紹介。職場内で精神・発達障害のある同僚との接し方などについてアドバイスした。
 出所者の雇用について参加者からは「(運送業界だけでなく)県全体の取り組みとして広がるように微力ながら協力していきたい」との声が上がった。
 塩塚総合商事(長崎市田中町)の塩塚敬社長は取材に対し「(雇用は)簡単に進む話ではなく、出所者や障害者を受け入れるには(制度や接し方など)知識がもっと必要だと感じた。セミナーなどを継続し、理解を深めていきたい」と話した。
 同協会が昨年11月に加入事業者を対象に実施した調査(322社回答)によると、人手に関し、県内で600人超不足という実態が明らかになっている。

© 株式会社長崎新聞社