のど自慢 度肝抜く歌唱 弘前二中の武田さん 憧れは三山ひろしさん 「弟子入りし歌手になりたい」

演歌歌手を目指す武田さん。学校の制服をアレンジした衣装で大会に出場している

 弘前第二中学校2年生の武田理粋(りすい)さん(14)は昨年11月に青森県弘前市が会場となった「NHKのど自慢」に出場し、60年以上前に発表された故・水原弘さんの曲「黒い花びら」を披露、全国の視聴者の度肝を抜いた。憧れは演歌歌手の三山ひろしさん。「弟子入りして歌手になりたい」と目を輝かせる。

 グレーの制服にワインレッドのちょうネクタイ。中学生とは思えぬ重厚な声が弘前市民会館に響くと観客席から感嘆の声が上がった。高らかな鐘が鳴り、結果は「合格」。「緊張はなかった。思い通りに歌うことができた」と笑顔で初のテレビ出演を振り返った。

 祖父の影響を受け、小学校に入る前から演歌を聴いていた。小学2年の時に三山さんの歌唱を見てファンになり、何度も家族とコンサートに通うほど熱中した。「黒い花びら」は三山さんがカバーしているのを聴いて覚えた。

 身長183センチ。運動部への勧誘があったが「それよりも歌いたい」と入部せず、放課後は三山さんが歌う動画を何度も見て、歌の練習を重ねている。

 のど自慢への出場前に腕試しとして昨年9月に出た市内のカラオケ大会で優勝。つがる市で開かれた大会に招待されるなど活躍の場が広がっている。「大会に出始めて成長できたと思う。歌を聴いている人に、思いを伝えられるよう研究したい」と誓った。

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