【プレミア注目プレビュー】ラトクリフ卿御前試合のユナイテッドが難敵スパーズ迎え撃つ

今節屈指の好カードは14日25:30にKO[写真:Getty Images]

プレミアリーグ第21節、マンチェスター・ユナイテッドvsトッテナムが、日本時間14日25:30にオールド・トラッフォードでキックオフされる。ユナイテッドとスパーズによる、2024年初開催のビッグ6直接対決だ。

8位のユナイテッド(勝ち点31)は前節、ノッティンガム・フォレスト相手に敵地で1-2の敗戦。2023年の戦いを厳しい敗北という形で終えた。直近のFAカップで3部のウィガンに2-0で快勝し、ひとまずバウンスバックに成功したものの、後半戦への巻き返しに向けてはサー・ジム・ラトクリフ氏が初観戦する新年最初のホームゲームでの勝利は必須だ。

11月の3連勝以降は連勝がなく、快勝した次の試合の戦いに問題を抱えるテン・ハグのチームだが、ここに来て負傷者が続々復帰を果たしており、今回の一戦では先月のチェルシー戦、アストン・ビラ戦で見せたような躍動感のあるパフォーマンスで難敵撃破といきたい。

対する5位のトッテナム(勝ち点39)は前節、満身創痍の状況のなかでリーグ7戦無敗の絶好調ボーンマスに3-1の勝利。前々節のブライトン戦の敗戦からのバウンスバックに成功すると共に2023年を悪くない形で終えた。さらに、直近のFAカップではバーンリー相手にDFペドロ・ポロの鮮烈な一撃で1-0の勝利。新年を幸先よくスタートした。

多くの離脱者に悩まされながらも首位リバプールと6ポイント差としぶとく優勝争いに踏みとどまるポステコグルーのチームは、例年動きの遅さが顕著な移籍市場においてもDFドラグシン、FWヴェルナーと手薄なポジションに2人の新戦力を補強。ノルマであるトップ4フィニッシュ、その先のリーグタイトルに向けてクラブ一丸となった姿勢を見せている。エースFWソン・フンミン、中盤の主力2人を代表戦で欠くなか、後半戦序盤戦で最もタフな一戦をモノにできれば大きな弾みとなるはずだ。

なお、昨年8月にトッテナムホームで行われた前回対戦はMFサール、オウンゴールと後半にゴールを重ねたトッテナムが2-0で勝利し、ポステコグルー新体制での初勝利を挙げている。

◆マンチェスター・ユナイテッド◆
【4-2-3-1】
予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.


GK:オナナ
DF:ダロト、エバンス、ヴァラン、ショー
MF:マクトミネイ、メイヌー
MF:ガルナチョ、ブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード
FW:ホイルンド

負傷者:DFリンデロフ、マグワイア、マラシア、MFマウント、FWマルシャル
出場停止者:なし
欠場者:MFアムラバト

出場停止者はいないが、代表招集中のアムラバトが欠場となる。負傷者に関してはリンデロフ、マラシア、マウント、マルシャルの4選手の欠場が確定。その一方で、カゼミロ、リサンドロ・マルティネスの長期離脱組に加え、軽傷や体調不良から回復したショー、エリクセンが戦列に復帰する見込みだ。ただ、マグワイアに関しては五分五分の状況だ。

スタメンに関しては負傷明けの選手たちの状態次第で大きく変わる可能性はあるものの、前述の11名の起用を予想。ただ、中盤ではカゼミロ、エリクセン、ディフェンスラインではマルティネス、マグワイア、ワン=ビサカの起用も想定される。

◆トッテナム◆
【4-2-3-1】
予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.


GK:ヴィカーリオ
DF:ペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ
MF:スキップ、ベンタンクール
MF:ブレナン・ジョンソン、クルゼフスキ、ヴェルナー
FW:リシャルリソン

負傷者:DFベン・デイビス、MFロ・チェルソ、ペリシッチ、マディソン、FWソロモン、ベリス、スカーレット
出場停止者:なし
欠場者:MFビスマ、サール、FWソン・フンミン

出場停止者はいないが、代表招集中のビスマ、サール、ソン・フンミンが不在となる。負傷者に関してはベン・デイビス、ロ・チェルソ、スカーレットの3選手がいずれも直近の負傷によって欠場する。一方で負傷明けのロメロのスタメン復帰の可能性は高い模様だ。

スタメンは前述の11名を予想。ファン・デ・フェンの相棒に関してはロメロが間に合わない場合、新戦力のドラグシンかエメルソンの起用となる。前線と中盤では最前線か、左ウイングか立ち位置は不明だが、新戦力ヴェルナーがスタメンでデビューを飾る可能性が高そうだ。

★注目選手
◆マンチェスター・ユナイテッド:MFブルーノ・フェルナンデス

Getty Images


難敵撃破へ攻守両面で輝けるか。負傷明けの主力たちのパフォーマンスにも注目が集まるが、苦戦必死のビッグマッチでチームを牽引するパフォーマンスが求められる赤い悪魔のスキッパーに注目したい。リーダーシップの部分で懐疑的な見方はあるものの、ここまで1試合のサスペンションを除きほぼフル稼働で一定水準以上のパフォーマンスを続けるポルトガル代表MF。

決定力を著しく欠く不甲斐ない前線の影響によって3ゴール3アシストとスコアポイントにおいては物足りないが、キーパスやチャンスクリエイト数では常に高水準のスタッツを記録しており、この試合でもチャンスメーカーとして重要な働きが期待される。とりわけ、ハイライン・ハイプレスを志向する相手に対して、積極的に背後を狙う両ウイングを走らせるスルーパス、自身の2列目からのゴール前への飛び出しといったプレーがチャンスの糸口となるはずだ。

また、守備面においてはビスマやマディソンの不在でビルドアップの質が低下している相手に対して、スキップらを狙い目にメリハリを付けたプレスで制限をかけて相手の自由を奪いつつ、ショートカウンターに繋げていきたい。

◆トッテナム:MFデヤン・クルゼフスキ

Getty Images


攻撃のタクト握る万能型アタッカー。新天地デビュー濃厚のヴェルナーやドラグシンといった新顔に注目が集まるところだが、中盤と前線の主力を欠くなかで司令塔としての働きが求められるスウェーデン代表MFのパフォーマンスが勝敗のカギを握る。

より自身の特長が活きる新指揮官の下、そのポテンシャルを遺憾なく発揮する23歳はシーズン序盤の右ウイングから現在はチーム事情でトップ下やインサイドハーフに近い役割を担う。とりわけ、ベンタンクールを除き中盤と前線で“使われる”タイプの選手が多い現状においてゲームコントロール、攻撃のテンポ作り、崩しの起点という仕事が重要性を増す。

今回の一戦ではレギュラーセンターバックコンビの復帰によってビルドアップの停滞が改善される見込みで、ここ数試合に比べて低い位置まで下りることなくボールを受けられる可能性が高い。そのなかでライン間やギャップに顔を出してボールを引き出し、スピードと動き出しに優れるアタッカー陣にラストパスを供給したい。また、ハーフシーズンでプレミアリーグでのキャリアハイの得点数(5)に並んでおり、この重要な一戦でキャリアハイ更新といきたい。

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