災害時、飼い主さんとペットを守るために大切な5つのこと

こんにちは、内田友賀です。

この度の能登半島地震により犠牲となられました方々に、謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。余震や天候などで不安な日々が続いていることと存じますが、皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

今回は「ペットとの同行避難」について、環境省によるペットの災害対策の方針をもとに、お伝えさせていただきます。どうか、一人ひとりが他人事だと思わず、愛犬を守るための準備をしていただけたらと切に願います。

災害の準備は「しすぎる」ということがないくらい、大切だと言われています。その中でも、ペット同行避難を考えた際に大切な5つのことをご紹介したいと思います。

その1 動物病院

避難所で、人の問題としても大きく関わってくるのが「衛生問題」です。ただでさえ免疫力が落ちているため、些細なことでも大きな感染症拡大へと発展する可能性があります。それは犬も同じこと。

人畜共通感染症はもちろんですが、ペット同士での感染も防ぐ責任があります。そのため、「ワクチン接種」「ノミダニ対策」「定期健康診断」、迷子時のための「マイクロチップ装着」など、動物病院でできることをしておきましょう。

その2 トレーニング

あなたの愛犬は「知らない人に触れられること」「知らない犬が近づくこと」「クレートに入ること」「突然の大きな物音」などに対して、どのくらいの耐性がありますか?

ペット同行避難というと、避難所で同じスペースで暮らすことを想像する方も多いと思いますが、あくまでも「避難所まで連れて行くこと」を同行避難と呼びます。

避難所のルールによっては、屋外や別棟などでの隔離が求められることがあります。

平常時で色々な経験を積んでいないと、環境の変化を受け入れられずに心身を害してしまうことがありますので、日頃からできるだけたくさんの経験をつみ、少しでも避難生活をストレスなく過ごせるよう、トレーニングを積むことが大切です。

その3 備蓄

災害時、ペット関連企業やボランティアによる支援物資もありますが、必ず手元に届くとは限りません。最低限のフードやペットシーツなどは普段から余分に備蓄しておくことが大切です。

また、普段は布製のキャリーバッグなどを愛用している場合も、ハードな素材のクレートを準備しておきましょう。

また、ラバー製の靴や口輪なども災害時には役に立ちますが、練習も必要です。愛犬の体重や性格を考え、必要な備蓄とそれに合わせた練習も行っておくと良いでしょう。

その4 避難所のルール

ご自身の避難所には「ペット同伴ルール」はありますか? 日本では「ペット同行避難」についてルールが定まっていない避難所も数多くあり、他の避難住民とのトラブルの原因にもなります。ルールについて事前確認を行い、もし決まっていない場合は地域でのルール作りをすることも検討しましょう。

避難所には、お体の弱い方や犬が苦手な方、動物アレルギーの方なども避難しています。できるだけ一緒に居たいという気持ちは大切ですが、様々な方に配慮ができるルール作りが大切です。

その5 地域住民との良好な関係

もしも避難所に、普段から地域のルールを守らない身勝手な人が入ってきたら、どう感じますか? きっと多くの人が怪訝な顔をするでしょう。私たち犬の飼い主も、普段のお散歩での糞尿の始末、立ち入り禁止場所への犬の侵入など、つい「ま、いいか」とルーズになっている行動を、地域の方々は見ています。

逆に、普段からルールを守り明るく挨拶する飼い主さんや、グッドマナーな犬たち、子供の見守りなどの社会活動など地域との関わりが良好であれば、「こんな時なんだから、一緒でいいわよ」と思ってもらえるのも、人の情です。

地域から愛されるも嫌われるも、飼い主さん自身の普段の立ち振る舞いだという気持ちを持って、住民のみなさんとの良好な関係を築いていきたいですね。

災害が起きてからでは、間に合わない

ご紹介した5つの大切なことに共通するのは「災害が起きてからでは間に合わない」ということです。

まだまだペット文化は高いとは言えず、災害時に悲しい思いや悔しい思いをするかもしれません。けれど、それを一つでも減らしていけるのは、今日からの私たち飼い主の“心構えひとつ”だと思うのです。

いつ起こるかわからない災害。

だからこそ、今日から。

最愛の愛犬を守るのは、法律よりも、支援よりも、「飼い主さんの準備」なのです。

どうか、小さな祈りが被災地の全ての命に届きますように。

※参考 環境省ホームページ「ペットの災害対策」 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html

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