細貝萌、アジアカップ韓国戦のゴールを生んだ“継続”…遠藤保仁と長谷部誠とは「差があった」

4年に一度、代表チームの王者を決定するアジアカップ2023が中東のカタールで開催される。

過去最多4度の優勝を誇る日本代表だが、最後に頂点に立ったのは2011年大会のこと。本田圭佑、香川真司らが躍動し、ザッケローニ体制のチームが栄冠を掲げたのもやはりカタールの地だった。

この大会では日替わりでヒーローが誕生した。その一人が元日本代表MF細貝萌(現ザスパクサツ群馬)だろう。

細貝は、準決勝の宿敵・韓国戦の延長戦で本田圭佑のPKのこぼれ球を詰めて勝ち越しゴールを決めた。チームはその後土壇場で同点弾を許したもののPK戦の末に勝利を収めている。

Qolyが昨年実施したインタビューでその当時の話と、日本代表でポジションを争った遠藤保仁、長谷部誠について話してくれた。

――2011年のアジアカップ優勝。細貝選手も準決勝の韓国戦で本田選手の蹴ったPKのこぼれ球を決めました。振り返っていかがですか。

浦和の頃からPKのこぼれ球は狙っていました。以前からああいうふうに助走を付けて狙うようにしてたんです。

あの試合、あの場面でこぼれてきたっていうことに関してはすごく価値がありましたね。本当に継続してたことが形になったものだったので。

僕も今まで何度もこぼれに詰めてきたんですけど、当然あんなの基本的にこぼれてこないですよ。

PKを蹴る(本田)圭佑がどっちに蹴るかなんて知らないんで。当たり前ですけど(事前に)聞かないじゃないですか。キーパーが弾いて逆にこぼれたらそもそも間に合わないし。

あれはもう運でしかないです。でもその運を継続してたから掴んだことに関しては、本当に良かったなと。素直にあのシーンに関しては「やってきてよかったな」って本気で思っていますね。

――日本代表では長谷部誠選手、遠藤保仁選手、日本サッカー史に残るような二人とポジション争いをしてきました。

長谷部さんとヤット(遠藤)さんの二人のバランスはすごく良かったです。

彼らのバランスの良さっていうのは、何かこう…「隙がなかったな」っていうか。やっぱりあの二人と自分の差はあったから、試合に出られなかったんだと素直に思ってます。

そこに入っていく力がなかったっていうのは本気で思いましたね。監督(の起用)がどうこうって少なからずサッカーなんであるんですけど、シンプルに僕自身の能力が足りなかったと思ってます。

でも彼らと一緒にいることで、一緒にサッカーさせてもらうことで、いろんなことを学びました。一緒にいたから彼らのようなプレーができるかといったらまた別なんですけど。

普段のね、ヤットさんのあのマイペースな感じだったり、長谷部さんの世間でいう“整ってる”ような感じだったり。サッカー以外でも学ぶことが多かったなと思いましたね。

――長谷部選手は浦和からドイツに行かれて、その後トップ下からボランチ、今は最終ラインで活躍されています。細貝選手と共通する部分もあるかと思いますが、彼は他の選手と何が違うと感じますか?

その場に順応できる能力が素晴らしいんじゃないかなと思います。プレーもそうだしオフザピッチも含めて。

僕は長谷部さんと浦和でも一緒にやっています。浦和での長谷部さんも知ってて、代表での長谷部さんも知ってて、同じタイミングでドイツにいたのでドイツでの長谷部さんもある程度近くで見ていました。

フランクフルトでセンターバックもやっていましたが、僕も(ヘルタ)ベルリンとかで数試合センターバックをやったことがあるんです。

長谷部さんってDF体型ではないというかそんなに大きくない。僕よりはちょっと身長があるくらいで。

(にもかかわらず)そういうポジションでコンスタントに、しかも年齢を重ねてもできている長谷部さんの凄さっていうのは僕はたぶん結構分かるほうなんですよ。

だからこそなおさら長谷部さんってすごいなってシンプルに思いますね。

運ではあるものの、継続してきたことが韓国戦のゴールに繋がったという細貝。代表でのポジション争いに敗れたことについては、素直に差があったことを認めていた。

【インタビュー】元ベトナム代表監督三浦俊也さんが語るアジア杯日本代表vsベトナム代表

上記の細貝のインタビュー動画では、同級生である本田圭佑の素顔についても語ってくれている。

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