能登で雇調金の助成率引き上げへ 首相、予備費1千億円支出を強調

石川県庁で馳浩知事(中央右)から要望書を受け取った岸田首相(同左)=14日午後

 岸田文雄首相は14日、能登半島地震の被災地の雇用維持に向け、雇用調整助成金の助成率を引き上げ、支給日数を延長する方針を表明した。生活再建に向けた支援拡充の一環。近く取りまとめる政策パッケージを実行するため、月内に2023年度予備費から新たに1千億円超の支出を決めると強調した。生活インフラ復旧に3カ月以上かかる地域があるとして「2次避難を強力に進める」と述べた。地震発生後初の被災地入り後、金沢市内で記者団に語った。

 政策パッケージを巡り、インフラ復旧や仮設住宅の確保、災害廃棄物の処理、農林水産業や観光業の再建など幅広い施策を盛り込むと説明した。被災世帯に対する緊急小口資金の特例貸し付けについて、1週間後をめどに受け付けを開始することも明らかにした。

 24年度当初予算案の一般予備費5千億円を増額する政府方針に関しては、1兆円に倍増すると明言。今月16日にも閣議決定する見通しを示した。

 これに先立ち、石川県輪島、珠洲両市の避難所を訪問。自治体側から仮設住宅の早期建設などの要望が出された。

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