凶器は刃渡り10~14センチ、幅1~2センチの細長い刃物 京都精華大生殺人事件、17年で新情報

事件の現場近くに設置された情報提供を呼びかける看板(12日、京都市左京区岩倉幡枝町)

 京都市左京区岩倉で2007年1月、京都精華大マンガ学部1年の千葉大作さん=当時(20)=が殺害された事件が15日で発生から17年になるのに合わせ、京都府警捜査本部(下鴨署)は、凶器となった刃物の形状を明らかにした。刃渡り約10~14センチ、幅約1~2センチの細長い刃物で、捜査本部は犯人の男が普段から所持していたとみて、事件解決につながる情報を求めている。

 事件は07年1月15日午後7時45分ごろ、左京区岩倉幡枝町の路上で、千葉さんが自転車に乗った男に胸や腹など十数カ所を刃物で刺され、殺害された。府警は延べ約6万6千人の捜査員を投入し、事件に関して1420件の情報が寄せられたが、解決に結び付いていない。

 同事件で捜査本部が情報を開示するのは、「男の靴が外国製の軽登山靴だった」と明らかにした07年12月以来。凶器の刃物の形状は、刺し傷などから推定した。市販されている刃物で例示すると、ボーニングナイフやフィレナイフ、ペティナイフ、小刀などの特徴に似ているという。

 目撃証言などから、男は当時20~30歳、身長170~180センチ、髪形はセンター分けで、自転車に乗っていた。解決に結びつく情報の提供者には、最高300万円の公的懸賞金(捜査特別報奨金)が支払われる。府警は「凶器の特徴を参考に何か思い出してもらい、情報を寄せてほしい」と訴える。

 千葉さんの母淳子さん(64)=仙台市=は取材に対し「あの日から17年という月日がたっても事件を忘れることはない。解決のため、新しい捜査情報を発信してくれるのはありがたいと思うのと同時に今でも全力で捜査していると感じる。今回の情報が一日も早い犯人逮捕につながることを強く望んでいる」と話した。情報提供は捜査本部フリーダイヤル(0120)230663。

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