被災寺院を見舞い 浄土真宗本願寺派本山の荻野総務

常尊寺の被害状況を確認する浄土真宗本願寺派の荻野総務(右端)=氷見市宇波

  ●氷見・高岡の7カ寺訪問 

 浄土真宗本願寺派(本山・京都の西本願寺)の荻野昭裕総務は14日、能登半島地震で大きな被害を受けた氷見、高岡市の7カ寺に、状況視察を兼ねた見舞いに訪れた。本山の緊急災害対策本部員である荻野総務は「大変厳しい状況。具体的な支援計画を策定し、さまざまなお手伝いができる態勢を整えたい」と話した。

 家屋損壊の被害が目立つ氷見市宇波では、高岡教区氷見東組の常尊(じょうそん)寺と隣の聖(しょう)万(まん)寺を視察。常尊寺は本堂が傾き、屋根瓦も壊れた。本堂は応急危険度判定で「危険」となり、本尊を座敷に移した。鐘楼堂は倒壊寸前の状態で、宮大工が応急措置を行った。聖万寺も本堂の傾きや基礎のずれなどの被害が確認されている。

 常尊寺では視察後、報恩講が行われ、法要時の会食「お斎(とき)」に代わるカレーの炊き出しやコーヒーの振る舞いもあった。段證(だんしょう)武邦副住職は「本山からの見舞いはうれしく、門徒も喜んでいた。今後の復旧に向け大事な日となった」と感謝した。

 本願寺派は金沢別院内に支援センターを設置した。本山からの被災寺院の視察班は荻野総務ら3人で、14日は常尊寺、聖万寺のほか、氷見組と氷見西組の各1カ寺、伏木組の3カ寺を見舞った。12日に能登町、穴水町、13日には七尾市、羽咋市の計15カ寺を訪ねた。

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