被災生徒「やっと一段落」 大学共通テスト終える

ほっとした表情で会場を出る受験生=富大五福キャンパス

 大学入学共通テストは最終日の14日、富山県内の4大学5会場で理科と数学の試験が行われた。能登半島地震に見舞われた受験生は不安を抱えながら勉強に励んだ日々を振り返り、国公立大や私立大の試験など次なる関門へ気持ちを切り替え、志望校合格を誓った。

 初日の13日に続き、富大五福キャンパス、同杉谷キャンパス、県立大射水キャンパス、高岡法科大、富山国際大呉羽キャンパスが会場となった。公共交通機関に大きな遅れはなく、開始繰り下げなど目立ったトラブルもなかった。

 県内最多の志願者2812人の会場となった富大五福キャンパスでは冷え込みの厳しい早朝、受験生が凍結した歩道を気を付けながら歩いていた。

 伏木高の竹内花菜(はな)さんは自宅に被害はなかったが、友人宅は断水したとし「余震も多く大変だったが、自然災害なので仕方がない。友達と『頑張ろうね』とLINE(ライン)で言い合ってきた」と振り返った。同校の梅田陸生(むつき)さんは「やるだけのことはやった」と笑顔を見せた。

 県内で地震の被害が大きかった氷見、高岡両市では、多くの住民が避難所に身を寄せた。県立大射水キャンパスで受験した氷見高の近藤春樹さんは自宅が断水する中で学習を続けてきたとし「やっと一段落着いた。次の試験に向けて切り替えていきたい」と表情を引き締めた。

  ●数学に苦戦

 試験内容については数学で苦戦したとの声が目立った。高岡南高の男子生徒は「確率分布の問題が難しかった」と肩を落とした。砺波高の女子生徒は「文章量の多い問題が多く、読むのに時間がかかった」と話した。

 平均点の中間発表は17日、得点調整の有無の発表は19日、平均点の最終発表は2月5日の予定。追試験は27、28日に実施され、能登半島地震に被災した受験生が対象となる特例措置が設けられている。

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