ヴィニシウスのハットでクラシコ完勝のマドリーが2大会ぶり通算13度目の優勝! 宿敵バルサ撃破で今季初タイトル【スーペル・コパ】

[写真:Getty Images]

スーペル・コパ決勝、レアル・マドリーvsバルセロナが14日にサウジアラビアのキングサウード・ユニバーシティスタジアムで行われ、4-1で完勝したマドリーが2大会ぶり13度目の優勝を果たした。

2大会ぶりの優勝を目指すマドリーは、準決勝でアトレティコとのマドリード・ダービーを戦い、120分の激闘に5-3で勝利。その激戦から中3日で迎えた決勝では今シーズン2度目のエル・クラシコに臨んだ。アンチェロッティ監督はこの大一番に向けて先発2人を変更。ケパとモドリッチに代えてルニン、クロースを起用した。

一方、大会連覇を狙うバルセロナは準決勝でオサスナと対戦し、2-0で勝利を収めた。リーグ前回対戦で敗れた宿敵にリベンジを期すチャビのチームは中2日の一戦に向けて先発1人を変更。負傷のハフィーニャに代えてペドリを起用。左ウイングにセルジ・ロベルト、右サイドバックにアラウホと対マドリー仕様で臨んだ。

立ち上がりにいきなりゴール前でのシーンを作り合い、早くもオープンな展開を想起させた今季2度目のクラシコはその予感通りの展開となる。

まずは7分、相手陣内中央でボールを持ったベリンガムが背後を狙うヴィニシウスの動き出しに合わせてスルーパスを供給。これに中途半端な形でカットを狙ったDFクンデと完璧に入れ替わったヴィニシウスがそのままボックス内に持ち込んでGKペーニャを右にかわして無人のゴールへシュートを流し込む。

幸先よく先制に成功したマドリーは直後にもショートカウンターからロドリゴが決定的なシュートを放つが、これはGKペーニャの好守に遭う。それでも、10分には自陣右サイドのカルバハルからの浮き球パスに完璧なタイミングで抜け出したロドリゴが逆サイドに猛スプリントで走り込む同胞FWへ丁寧な折り返しを供給。これをヴィニシウスが身体ごと押し込み、瞬く間にドブレーテを達成した。

続けざまの拙守で2点のビハインドを背負ったバルセロナはリスクを冒して反撃に転じる。12分にはボックス内でペドリの落としを受けたフェラン・トーレスのボレーシュートが枠に向かうが、これは惜しくもクロスバーを叩く。

以降もギュンドアン、ペドリを起点に良い形を作り出すなか、前半半ば過ぎにはフェランに再びのビッグチャンス。27分、ペドリのスルーパスで右サイドのスペースに抜け出したフェランはボックス右に持ち込んでグラウンダーのシュートを放つが、これはGKルニンの足を使った好守に阻まれる。

それでも、押し込む形を継続するバルセロナは33分、ギュンドアンのボックス付近での仕掛けから波状攻撃を見せると、相手DFのクリアボールに反応したレヴァンドフスキがペナルティアーク付近から抑えの利いた強烈な右足ボレーを放つ。ゴール前の密集を抜けたボールにGKルニンが反応したものの、その手をはじいてボールがゴールネットに突き刺さった。

エースのゴラッソでスタジアムの空気が変わったが、この直後にスコアを動かしたのはマドリー。37分、ボックス内で味方からのクロスに反応したヴィニシウスがDFアラウホに後ろから手をかけられて倒されると、このプレーでPKが与えられる。これをキッカーのヴィニシウスがきっちり決め切り、前半だけでハットトリックを達成した。

その後、前半終盤にかけては再びリスクを冒して前に出たバルセロナがペドリの鋭いシュートでゴールに迫ったものの、これはわずかに枠の右に外れてマドリーの2点リードで前半終了を迎えた。

2点ビハインドで後半に臨んだバルセロナだが、メンバー交代なしでスタート。後ろ重心でロングカウンターを狙うマドリーの戦い方もあって押し込むことはできるが、ペドリ以外にアタッキングサードで効果的なアクセントを付けられず。集中した相手の守備を崩し切れない。

この展開を受けてチャビ監督は60分過ぎに3枚替えを敢行。セルジ・ロベルト、ペドリ、フェランを下げてラミン・ヤマル、フェリックス、フェルミン・ロペスとアタッカーをピッチに送り込む。

だが、後半も先にゴールを奪ったのはエル・ブランコだった。64分、右サイドを起点としたカウンターからボックス左でクロスを収めたヴィニシウスがゴール前のベリンガムを狙って折り返す。これはDFクンデに撥ね返されるが、短いクリアに抜け目なく反応したロドロゴが右足ダイレクトシュートをゴール右隅に蹴り込んだ。

この4点目に加え、71分にはヴィニシウスへのアフターチャージでアラウホが2枚目のカードをもらって退場となり、残り20分余りを残して試合の大勢は決した。

その後は意地を見せたいバルセロナが球際で激しいプレーを見せつつ、フェリックスらに決定機も訪れたが、要所を締めるマドリーが冷静に撥ね返していく。一方、余裕の展開となったマドリーは試合終盤にかけて続けて主力をベンチに下げて完全にクローズにかかった。

ブラヒム・ディアスを中心に攻勢を仕掛けたなか、マニータ達成には至らなかったものの、このまま4-1でタイムアップを迎えた。この結果、リーグ前回対戦に続いてクラシコに完勝したマドリーが2大会ぶり通算13度目の優勝を果たし、今季初タイトルを獲得した。

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