北朝鮮「極超音速兵器」を実験 迎撃困難、脅威高まる

14日、北朝鮮ミサイル総局が極超音速弾頭を搭載して行った固体燃料式の中長距離弾道ミサイルの発射実験(朝鮮中央通信=共同)

 北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、同国のミサイル総局が14日午後に極超音速弾頭を搭載した固体燃料式の中長距離弾道ミサイルの発射実験を実施し、成功したと報じた。14日午後に首都平壌付近から発射され、韓国軍が中距離級と推定した弾道ミサイルを指すとみられる。飛距離や高度は明らかにしなかった。

 極超音速弾頭は、一般的にマッハ5(音速の5倍)以上の超音速で飛行し、低高度で変則的な軌道を取る特徴がある。実戦配備されれば、日米韓にとってはレーダーによる探知や迎撃が難しく、脅威が高まる。

 実験は、極超音速弾頭の滑空や飛行特性のほか、新たに開発された「多段階大出力」の固体燃料エンジンなどの性能を確認したという。同様のエンジンは昨年4月に固体燃料式の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射実験が行われた際も言及された。

 ミサイル総局は今回の発射実験は兵器開発のための「定期的な活動の一環だ」とし、周辺国の安全に影響を及ぼさなかったと主張した。金正恩総書記の視察は伝えられず、立ち会わなかったとみられる。

8、9両日に軍需工場を視察した北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(朝鮮中央通信=共同)

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