「いもち病」に強い品種育成へ連携 岩手生工研など日英7機関

 

 岩手生物工学研究センター(北上市、小岩一幸理事長)は、英セインズベリー研究所など世界最先端の研究機関と連携し「いもち病」に強い水稲や小麦などの品種育成に乗り出す。作物が持つ抵抗性遺伝子を研究し、水稲は本県農業への活用を想定。ロシアによるウクライナ侵攻などで供給が不安定化する小麦は、病害に悩む世界の生産地に供給し、食糧安全保障への貢献を目指す。

 日本と英国の7研究機関による国際共同研究として取り組み、生工研の寺内良平ゲノム育種研究部長(京都大教授)=八幡平市=が代表を務める。国内は京都大と奈良先端科学技術大学院大、英国はジョンイネスセンター、ケンブリッジ大などと連携する。

 研究対象は稲と小麦、スイカなどウリ科作物の3種類。農薬に頼るのではなく、抵抗性遺伝子を用いた品種育成で防除につなげる。特に注目されるのが、いもち病対策。収量が減る稲の病気と恐れられてきたが、最近は小麦でも感染が確認され、南アジアやアフリカで被害が拡大する。

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