AIの力恐るべし…スライサーの芯喰うドライバー「パラダイム Ai スモーク MAX D」

「MAX」につかまる飛びと安定感をプラスしたという「MAX D」の性能を調査

キャロウェイから2024年モデル「パラダイム Ai スモーク」シリーズが発表された。ドライバーは「MAX」、「MAX D」、「MAX FAST」、「トリプルダイヤモンド」の全4機種。今回はドローバイアス設計の「パラダイム Ai スモーク MAX Dドライバー」について、ギアの知識が豊富なミタさんが特徴や性能を解説。そしてアスリートゴルファーのヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)に、試打した評価を本音で語ってもらった。

クラブの特徴は? ウエートの配置が変わった

前作「パラダイム X」(左)と「ーAi スモーク MAX D」。ヘッド後方にあるウエートの配置が変わった(撮影/有原裕晶)

【ミタさん】
今回紹介するのは、「パラダイム Ai スモーク MAX ドライバー」です。前作では「パラダイム X」がスタンダードよりもやさしく、球がつかまりやすいモデルとして展開されていましたが、今作ではドローを意味する「D」がついた「MAX D」という名称に変更されています

【シオさん】
前回試打したスタンダードモデルの「MAX」は、打ち出しが右方向に行く球が多かったので、つかまりやすいモデルを楽しみにしていました。前作「パラダイム X」と比べると、ウエートの配置が少し変わっていますね

【ミタさん】
「パラダイム」シリーズでは、ヘッド後方の側面から内側に向けて取り付けられていましたが、今回の「パラダイム Ai スモーク」シリーズでは、ソールに対して垂直に設置されています。今作には7gの埋め込み式ウエートが配置されており、前作よりも約2g重くなりました。

「Ai スマートフェース」はモデルによって重さや裏側の形状が異なる

【シオさん】
たしかにウエートの配置が変わったことで、新作はヘッド後方が薄くなっていますね。そのほかに、前作からどのような点が進化しましたか?

【ミタさん】
「スモークでフェアウェイにかっ飛ばす」という意味の「SMOKE Down the Fairway」をテーマに掲げ、飛距離性能と曲がりにくさを兼ね備えたシリーズとなっています。従来よりもフェースの外周部を薄くすることで、フェース全面で無数の小さなたわみを発生させ、どのような打ち方やヘッドの入り方をしても、インバクト時にスピン量や打ち出し角、方向などを補正して最適な弾道を生み出すそうです。

【ヨシダくん】
AIの力、恐るべし…。前回、モデルによってフェース裏側の形状や重さが違うと教わりましたが、「MAX」と「MAX D」ではどのような違いがあるのでしょうか?

スタンダードモデルの「MAX」(左)と「MAX D」。どちらも460ccだが、「MAX D」の方が大きく見える(撮影/有原裕晶)

【ミタさん】
各モデルの想定ユーザーにとって最適な弾道になるよう設計されており、「MAX D」ではフェース上のより広範囲に分布する打点に対応するフェース形状となっています。つまり、ヒールやトウに当たったミスヒットへの補正能力が高いと言えるでしょう。

【ヨシダくん】
「MAX」と「MAX D」でどのように弾道が変わるのか、試打して比較してみたいと思います。

試打した印象は? フェースにボールが長く乗る感覚が味わえる

ヘッド後方が低いシャローバック形状。球をつかまえてくれそうな安心感がある

【シオさん】
「MAX」と見比べると、投影面積が少し大きくなって、よりシャローになっています。前回はフェースが少し開いて見えていましたが、「MAX D」ではスクエアになっていて、ターゲットに合わせやすいです。構えた時にクラウンのトウ側が少し高くなっていて、つかまりやすそうな雰囲気を感じました。

【ヨシダくん】
構えてみると、たしかに「MAX」よりもまっすぐ構えやすい。つかまりの良いモデルですが、フェースがクローズ気味になる様子はなく、フェースアングルはスクエアです。右に抜けそうな雰囲気が無いので、安心感があります。「MAX D」という名前にしては、良い意味で“ドロー感”があまり感じないヘッド形状です。

シオさんは「MAX」と「MAX D」を打ち比べて、構えやすく安定してドローが打てていた「MAX D」を選んだ

【ミタさん】
試打してみた印象はどうですか?

【シオさん】
1球目からナイスショットが打てました。「MAX D」というモデル名なので、ドローバイアスがかなりかかるかなと思っていましたが、程よいドロー。サイドスピン量が抑えられていて、理想的な弾道です。構えた時にヘッドが大きめなので、安心してスイングできます。

【ミタさん】
試打データを見ると、打ち出し角が約18度でしっかり高さが出ています。しかも安定してドロー弾道が打てているので、コースに持って行ってもすぐに使えそうですね

【シオさん】
MAX」の時と比べて、打ち出しの方向や弾道の高さがガラッと変わりました。何球打っても安定した良い弾道が出るので、私は「MAX D」の方が合っているようです。打感を比べてみると、「MAX」よりもフェースにボールが乗る感覚をより長く味わうことができて、気に入りました。

シオさんとヨシダくんの「パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー」(ロフト角10.5度)試打データ

【ヨシダくん】
打ってみましたが、打感が全然違います。「MAX」では分厚い手応えがありましたが、今回の「MAX D」は弾き感を強く感じました。とにかくつかまりが良すぎて、何球っても左にしか飛ばなかったです。かなり右に打ち出しても左に曲がるので、スライサーの方には最高だと思います

【ミタさん】
サイドスピンが左に1000回転近く入っているので、かなりドローが強いですね。「MAX」と「MAX D」は同じ純正シャフトを採用していて、今回も前回と同じ「TENSEI 50 for Callaway」のフレックスSで試打してもらいましたが、なにか違いは感じましたか?

ヨシダくんは「見た目以上につかまる! 打てども打てども左に出る」と話していた

【ヨシダくん】
同じシリーズでもヘッドが違うだけで、感じ方が全然違いますね。「MAX」ではあまりシャフトが気にならなかったのですが、今回は先端のしなり戻りをより強く感じました。この組み合わせで試せば、普段球がつかまりづらい方でもドロー弾道が打てると思います。

まとめ

適度なつかまり具合で、AI設計フェースによる弾道調整の効果を感じられる

【ミタさん】
シオさんとヨシダくんで打感や弾道に大きな差が出た「パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー」。ヨシダくんのようなボールをつかまえる技術のあるパワーヒッターが打つと、大きく左につかまる弾道になりました。言い変えれば、スライスで悩んでいる人にとっては打ち出しから右に飛ぶようなミスを減らしてくれるドライバー。新AIフェースが弾道を補正してくれるので、打点ブレが多い人にとっては、スコアアップにつながるモデルだと思います。

【シオさん】
私のようなもともと弾道が低いゴルファーは、安定した弾道を打ちやすいと思います。「MAX」であまり球がつかまらない、球が上がらないと感じた方は、「MAX D」を試してほしいですね。

■試打したクラブのスペック
キャロウェイ パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:TENSEI 50 for Callaway ●硬さ:S

キャロウェイ パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー

■マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Regio Fomula MB+ 55 ●硬さ:S

ヨシダくん:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED 6 ●硬さ:X

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