【最後まで気を抜かない!】基本的な下馬の手順と安全な落馬のコツ

指導員からレッスン終了の号令がかかると、緊張が解けて気を抜いてしまっていませんか?

慣れてくると何気なく行ってしまう下馬ですが、基本的な手順や注意するポイントを理解していないと、思わぬ事故につながる場合もあります。

この記事では、基本的な下馬の手順、そしていざという時のための安全な落馬のコツについてご説明します。

基本的な下馬の手順

① 馬を安全な場所で確実に停止する

馬場の中で下馬する時は、他の馬の邪魔にならない安全な場所で馬を停止します。他にも下馬する人がいる場合は、馬どうしの距離を十分に確保しましょう。
下馬の全ての手順が完了するまで、馬を同じ場所に停止させておきます。

② 手綱を左手でまとめて持ち、両方の鐙を脱ぐ

左右の手綱の長さを揃え、弛み過ぎないように左手でまとめて持ちます。
両方の鐙を脱いでから手順③に進みます。

③ 右足を後方に上げて馬の左に下ろす

前傾してお腹を鞍につけ、右足を後方に上げて馬の左に下ろします。
この時、お尻を蹴ると馬がびっくりしますので、右足が当たらないように注意しましょう。
馬の左側に体重がかかった状態になっていますので、なるべく速やかに手順④に進みます。

④ 軽く反動をつけて飛び降りる

馬から少しだけ離れた場所に、バランスを崩さないように柔らかく両足で着地します。
手順②からここまで、左手は両方の手綱を持ったまま、馬のキ甲の上に置いておきます。

⑤ 鐙を上げる

鐙を鎧革の一番上まで上げ、鎧皮を鎧の中に通して下がってこないようにします。

下馬する時に注意するポイント

停止する場所の安全確認

下馬する場所は指導員の指示に従いましょう。馬場内の馬の頭数や運動状況などによって異なる場合があります。
自分が降りる地面の状態も確認し、なるべく乾いた安全な場所で馬を止めます。

左足の鐙を履いたまま降りない

手順③まで左の鐙を履いておくと、馬が動き出してしまった場合に左足が鎧から外れず、そのまま引きずられてしまうととても危険です。
手順②の段階で両方の鐙を外しておきましょう。

馬の片側に長時間体重をかけない

馬の片側だけに体重を掛けることは馬の負担になります。手順③と④は一連の動きとしてスムーズに行いましょう。
また、手順④では馬からずりずり滑り落ちず、ぽんと飛び降りましょう。鞍をこすりながら降りると服が引っかかってしまうかもしれません。

降りる時に馬の口を引っ張らない

手綱が短すぎると、手順④の時に口を引っ張ってしまうかもしれませんので注意しましょう。
逆に弛みすぎていると馬が動いてしまうかもしれませんので、少し余裕がある程度の長さで持っておきます。

下馬したら鐙を上げる

鐙を上げずにブラブラした状態で馬を引き、鎧が馬場の囲いなどに引っ掛かるととても危険です。
鐙を上げるまでを一連の手順として習慣にしてしまいましょう。

引き馬の準備ができるまで馬は止めておく

手順①から⑤まで、馬はじっと停止していなければなりません。動こうとしたらすぐに止めます。下馬の手順が終わり、手綱を首から外し人が引いてはじめて歩き出すようにします。

これはとても大切な人と馬の約束事ですので、全員が必ず守らせるようにしなければなりません。

安全な落馬のコツ

落馬はしないに越したことはないのですが、安全な落馬のコツを知っておけば怪我をしないで済むかもしれません。頭の片隅に入れておき、いざという時には上手に落馬できるようにしましょう。

適正な装備で乗る

サイズのあったヘルメット、体にフィットした安全な服装など、クラブのルールを守った装備で乗りましょう。
ボディプロテクターの着用を義務付けているクラブもあります。

手綱を離さない

手綱を手に持ったまま落馬すると、頭が上、足が下の状態で落ちる可能性が高くなります。
ただし、馬に引きずられそうになった場合にはすぐに手綱を離すようにしましょう。

顎を引いて体を丸める

背中が平らな状態で落ちるより、丸まった状態で落ちた方が落馬の衝撃は少なくなります。
顎を引くと自然に体が丸まりますので、落ちると決まったらなるべく衝撃を受けにくい体勢をとりましょう。

馬の首につかまらない

馬が走り出して止まらない、いわゆる「引っかかった」状態になってしまった時。怖くなって前傾し、首につかまりたくなるかもしれませんが、絶対にやめましょう。
首につかまってしまうと馬を止めることはできません。また、馬の首は幅が狭く、つかまっても人の体はくるりと回転して馬の前に落ちてしまうかもしれません。そうなると馬は人をよけることができませんので、踏まれてしまう危険性もあります。

馬が止まらなくなったら、まず体を起こして周りの状況を確認し、安全な場所で大きな輪乗りをします。馬のスピードが下がってきたら徐々に輪乗りを縮めて、安全に停止できるスピードになったらしっかり馬を止めましょう。

まとめ

「家に着くまでが遠足」のように、馬を馬房へ安全に返すまでが乗馬のレッスン。運動が終わると「やれやれ」と油断してしまいがちですが、最後まで気を抜かずに正しい手順で下馬しましょう。

慣れてくるほど気が緩んでしまいがちですので、中級者や上級者になっても時々自分の下馬の手順が本当に安全か、たまに見直して見るのも良いかもしれませんね。

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