日新製糖 「自主独立の精神貫く」 4年ぶり年賀会で仲野社長

日新製糖は1月10日、2020年以来4年ぶりとなる「お得意様年賀会」を開催。食品メーカーや特約店など約100人が参加した。元日に能登半島地震が発生するなど波乱含みの幕開けとなった2024年。伊藤忠製糖との合併を10月に控え、参加した関係者は経営統合の成功とさらなる発展に期待を寄せた。

冒頭に仲野真司社長があいさつに立ち、能登半島地震被災者へのお見舞いの言葉とともに一日も早い被災地の復興を祈念した。また、「コロナ禍も一区切りとなり、人流が回復し外食業界など活気が戻る一方で、様々な分野でコストプッシュ圧力が高まった。急激な円安進行、原料糖相場が12年ぶりの高値をつける中で、弊社も幾度にわたる価格改定を実施。皆さまの多大なるご協力に対し、改めて感謝申し上げたい」と述べた。

国内砂糖消費は過去30年で約90万t減少。人口減少や砂糖離れが進み、異性化糖や高甘味度甘味料との競争など市場環境は厳しさを増す。「2022年に誕生したDM三井製糖に対抗しうる経営基盤の拡大が不可欠と判断し昨年1月、持株会社を設立し伊藤忠製糖と経営統合した。本年10月にはウェルネオシュガーとして合併し、業界2大グループの一角として成長を目指す」と抱負を語った。

加えて「日新製糖は創業以来、自主独立の精神を大切にしてきた。合併後もその伝統を受け継ぎ、日新製糖らしさをしっかりと守っていく。高品質な砂糖の安定供給、きめ細かな営業・物流サービスのさらなる拡充とともに、総合甘味サプライヤーとして機能性素材を含む魅力的な商材の拡充に努める」と意欲をのぞかせた。

乾杯は関東砂糖・和田洋次郎社長が行った。「2024年の干支は甲辰(きのえたつ)。『甲』は物事の始まりの年とされ、『辰』は昇り龍のイメージ通り勢い良く活気に満ち、成長と進展が期待される。合併後も日新製糖の魅力であるブランドを愛する姿勢、特約店やユーザーへの誠心誠意の営業姿勢を忘れないでほしい。われわれも精いっぱいお力になれるよう頑張りたい」と思いを述べた。

なお、中締めは北陸砂糖・中田栄太社長が行い、年賀会は盛況のうちに終了した。

© 株式会社食品新聞社