冒険家の植村直己さん未公開写真 北極圏で犬ぞり訓練、不明40年

植村直己さん

 1984年2月、北米大陸最高峰マッキンリー(現デナリ)で行方不明になった冒険家植村直己さんが約50年前、北極圏のグリーンランドで先住民イヌイットと犬ぞり訓練をしていた時の未公開写真6枚が見つかった。当時現地で植村さんと一緒に滞在していた猟師大島育雄さん(76)が撮影していた。南極大陸横断に向け、極地トレーニングをする姿が写る貴重な写真だ。今年2月で植村さんが行方不明になってから40年となる。

 愛知県の野外民族博物館リトルワールドが保管している資料の中から、北海道大の北極研究者日下稜さん(38)が発見した。植村さんの妻公子さん(86)は「見たことのない写真で新鮮味を感じた。本人が楽しそう」と話した。

 写真は73年5月、北緯77度付近にあるグリーンランドのシオラパルク周辺で撮影された。当時30代の植村さんは世界初の五大陸最高峰登頂を達成した後で、犬ぞりでの南極大陸横断を目指していた。撮影した大島さんは北極調査のため現地を訪れており、その後グリーンランドに移住、猟師として生活している。

イヌイットと触れ合う植村直己さん(左端奥)=1973年5月、北極圏のグリーンランド
スキーを履き、氷海上を歩く植村直己さん=1973年5月、北極圏のグリーンランド

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