武蔵野市 男児がタブレットで着替え盗撮 文科大臣「学校と教育委が適切に対応を」

武蔵野市の公立小学校で男子児童が学習用のタブレットで女子児童の着替えを盗撮していた件について、盛山文科相が会見で「学校と教育委員会に適切に対応してほしい」と言及しました。

盛山文科相「武蔵野市立小学校で児童間の盗撮事案が発生したということを承知しております」

武蔵野市の公立小学校では先月、高学年の複数の男子児童が、タブレット端末を教室に隠して、女子児童が着替えている様子を盗撮していることが明らかとなっています。盗撮に使われたタブレット端末はデジタル教育を進める一環で、学校から児童に配布されていたものでした。文部科学省は児童1人につき1台の端末を配布する「GIGAスクール構想」を進めていて、1月12日、盛山文科相は会見で「学校と教育委員会が警察と連携し、対応している」と、事態を注視する姿勢を示しました。

盛山文科相:「情報モラル教育を含め、再発防止に取り組むと報告を受けている。引き続き学校・教育委員会において適切にご対応いただきたい」

都内で子どもをもつ親からは、子どもへの「メディアリテラシー」を教える難しさが聞こえてきます。

9歳の子を持つ母親:「学校で何も説明されずに配るだけ、配布してあとは自由に使ってねというのはちょっと無責任かなと思います」
2児の母親:「タブレットで授業するのは普通になっているので、そこに規制をかけるのは難しいと思うが、機械がどうこうとかタブレットを持たせてはいけないとか、それよりも前の問題の話なのかな」

未成年のポルノ画像被害を減らす活動をするボランティア団体の代表は、小学校での盗撮は異例だとし、タブレット端末が使われたことは「小学生ならではの事情があるのではないか」と指摘しています。

「ひいらぎネット」りす代表:「小学生だと自分の個人のスマホを持っている子はあまり多くないですし、学校にスマホを持ってはいけないというルールを決めている学校も多い。そうなると身近にある支給されたタブレットを使って犯行に及んだのでは?」

そのうえで、小さい頃から倫理感を育てる必要があるという見方を示しています。

「ひいらぎネット」りす代表:「スマホなどで撮影する行為に慣れ親しんでいる。メディアリテラシーや性教育・人権教育が追いついていない現状がある。こうした行為が非常に人を深く傷づける行為だと小さいうちから教えることが必要だ」

児童・生徒への情報モラル教育として東京都は、去年4月から、「GIGAワークブックとうきょう」というタブレットやスマートフォンといった端末を正しく活用するためのデジタル教材を小・中・高で導入しています。

教材の中身としては、低学年用のものになりますが、「勝手に撮っていいのかな?」というタイトルで、端末の気になる所をチェックしていく形で、「水着などの裸に近い写真は勝手に撮ってはいけません」と写真を撮るときの注意点などを学ぶ事ができるようになっています。

また、文部科学省は、YouTubeに「情報化社会の新たな問題を考えるための教材」として、74本の動画を公開しています。様々なケースの動画があるので、家庭でお子さんと一緒に確認してみてはいかがでしょうか。

ネットやスマホに対する感覚は、我々大人と、幼いころから接している子どもでは、大きく異なっています。どの部分で認識がずれているか、こうした教材などを使って確認する必要があるのではないでしょうか。

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