【福島県】未経験でも寮付きで介護の仕事に挑戦できる 川内村「千翁福祉会」

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で、一時全村避難となった川内村。2012年1月の避難解除後、「村で暮らしたい」という高齢者の願いをかなえるために、2015年に開所したのが、社会福祉法人 千翁福祉会(せんのうふくしかい)が運営する「特別養護老人ホームかわうち」です。

特別養護老人ホームかわうちでは、2023年7月時点で、介護職員、管理栄養士、看護師、准看護師の募集を行っています。格安で暮らせる社員寮もあり、未経験者でも成長できる環境が整えられているため、移住を考える人にとっても検討候補にしやすい就職先の一つです。自然豊かな川内村の小高い丘に建つ施設に伺い、お話を聞いてきました。

「川内村で暮らしたい」高齢者の願いをかなえる場所

特別養護老人ホームとは、介護保険制度における要介護認定において「要介護3以上(日常的に全面的に介助が必要な状態)」の高齢者が入居する介護施設です。避難生活を終えて再び村で生活をすることになっても、避難先で体調を崩して入院したり、介護施設に入ったりした高齢者をやむを得ず避難先に残したまま、帰村した家庭もあったといいます。

「川内村で暮らす家族のそばにいたい」
「川内村で暮らしたい」

そんな家族と高齢者の思いをかなえるために立ち上げられたのがこの施設でした。立ち上げから関わっているのが、提携先であるひらた中央病院(福島県平田村)から派遣された、施設長の林光浩さんです。

「当時は県内に点在する避難所や避難先をまわって、職員を集めたり入居予定者のご家族と面談をしたりと大変でした。でも、慣れ親しんだ地でまた安心して暮らせる場所ができるということで、ご本人にもご家族にも喜んでいただけました」

施設は2015年の開所以降、ほとんどの期間で76床が満床。需要の高さがうかがえます。入居者の多くが川内村出身で、もともとご近所同士だった人が入所を機に再会できた、ということも多いそうです。

「新人が苦労しないように」と始めたマニュアル作り

かねてより人手不足が叫ばれる介護の世界。特別養護老人ホームかわうちは村内での貴重な雇用の場となりましたが、当初は介護経験のない職員がほとんど。ひらた中央病院や、介護経験のある林さんのサポートを受けて経験を積み、資格を取り、スキルを高めていきました。

現在も未経験者に対して採用の門戸を開いており、立ち上げから職員同士が協力し成長してきたこともあって、未経験者へのサポートが手厚いといいます。

2020年に入職した介護士の水野里美さんにその手厚さを聞きました。

水野さんは結婚を機に川内村へ移住しました。高校から介護を学び、田村市のデイサービスセンターで働いていたこともあり介護の知識やスキルはあったといいますが、職場に早くなじめるような配慮を感じたと話します。

「入職当時、ケアの方法やコミュニケーションの取り方を、時間をかけて一つひとつ指導してもらえたのがありがたかったです。1人の職員だけではなく複数の方から指導を受けられるので、さまざまな方向から介護を学べますし、わからないことも相談しやすい。介護の現場では見て覚えることを求められる職場も珍しくはないのですが、ここは一から教えてくれるので未経験の人も働きやすいと思います。

業務内容のマニュアルも作ってもらえたので、家で復習もできました。特に、利用者と職員の顔と名前がわかるマニュアルを最初に用意していただけたことが本当に助かりました。介護の仕事において、利用者さんの顔と名前を覚えることは、大切だけれど大変なことでもあります。また、職員の顔と名前を早く覚えられれば、わからないことも聞きやすくなるので、コミュニケーションが取りやすくなりました」

施設長の林さんはマニュアルについて、「自分たちが苦労したぶん、新しく入ってきた人は苦労しないようにしてあげたい、という思いから、現場で話し合って始めた仕組みなんです」といいます。

千翁福祉会では、看護師、准看護師、栄養士についても、資格を持っていれば介護未経験でも採用しています。グループ内の医療機関のサポートや研修を受けながら仕事に慣れていけるそうです。

利用者が食事をしたり、レクリエーションを楽しんだりするホール。もともとご近所同士だった人を近くの席にする配慮も。

施設のそばに水道代無料・安価で暮らせる寮も用意

ファミリー用の1LDK

移住する際に、就職先と並行して決めなければならないのが住まいのこと。千翁福祉会では、施設のすぐそばに社員寮を用意しています。単身用の1Kは1万4,000円、世帯用の1LDKは2万8,000円で利用可能です。「清流の郷」とも呼ばれる川内村は地下水が豊かで、水道料金はなんと無料!固定費を抑えて生活することができます。村外から通勤する職員の中には、道路が凍結する冬季のみ寮で暮らす人もいるのだとか。

社員寮は全24室あり、空室に余裕があれば入居可能です。2023年7月時点では空室が複数あるそうです。

社員寮入口だけでなく、男性フロア、女性フロアそれぞれにオートロックドアがある2重のセキュリティ体制を整えている。

事務担当の須藤千代さんは、施設から車で40分ほどの距離にある小野町の自宅を離れ、単身で寮を利用しています。

「開所当時からこちらで働いていましたが、6年目ぐらいから通勤に不安を感じ、寮で暮らすようになりました。寮といっても本当にきれいで、アパートのよう。収納もしっかりあるし、暮らしやすいです。静かで落ち着けるし、疲れて退勤してすぐにお布団に行けるのはうれしいですね。夜勤がある介護士にとっても助かると思います」

川内村には大きいスーパーがありません。そのため、買い出しは隣接する富岡町や田村市、いわき市まで行くことになります。須藤さんは、寮で暮らすようになってから、買い物のための行動範囲が広がり、楽しみも増えたといいます。

「寮の中にあるホールでは、寮に住むメンバーでご飯を持ち寄って、飲んだり食べたり女子会したり。ギターを弾いて歌ったり、焼肉もします。遊ぶ時は遊びますが、自分のスペースは守られているので安心して暮らせています。皆さんの人柄がいいから楽しく過ごせているのでしょうね」

求められていることに気づき、行動できる人が活躍できる

しかし、そんな須藤さんも、入職して最初の頃は利用者との接し方に悩んだといいます。家族以外のお年寄りと接する機会がなく、人に触れることも苦手だったといいますが、ある時利用者に優しく手を包み込まれて「がんばれ」と声をかけてもらったことをきっかけに、気持ちがほぐれていったと振り返ります。自然と利用者に手を貸したり、声を掛けたりといったサポートができるようになっていったそうです。

「利用者さんと目線を合わせて話をすることや、他人を思って行動することって、実はとても難しいことだと思うんです。利用者さんが求めていることに素早く気づき、自分からスムーズにそうした行動をとれる人が、介護施設の仕事に向いている人だと思いますし、ここはそうした人が存分に活躍できる職場だと思います」

最後に林さんに、どんな人材を求めているのかをお聞きしました。

「大切なことは、コミュニケーションがしっかりとれることです。介護は人の命を預かる仕事。まじめで、利用者にも職員にも思いやりを持って行動できる人にぜひ来ていただきたいですね。それがあれば、技術は二の次でも良いんです。実務や研修、資格取得を通してスキルアップできる環境がありますから」

千翁福祉会には、これまで介護の仕事に携わったことがない人もチャレンジしやすい環境があります。川内村での暮らしや介護の仕事に興味がある人は、千翁福祉会への就職をぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

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