【動画】15万人に医療施設は2つだけ──南スーダン、医療が届かない地へより多くの援助を

「おなかの赤ちゃんの様子を診てもらうためには、一人きりで2、3時間歩かなければなりません。ほかに病院はないので……」
そう話すのは19歳のアニンガさん。南スーダンの中央エクアトリア州に暮らす妊婦だ。

この州のイエイとモロボでは、武装集団の間で争いが激化。暴力の危険が迫り、人びとは集落から離れた森の中などへ逃れている。

避難を余儀なくされた人も、地域に留まる人も、病気になっても医療を受けることは困難だ。モロボでは推定15万人の人口に対し、機能している医療施設はわずか2カ所しかない。

そこで国境なき医師団(MSF)は、医療が届いていない地域の人びとの命を守るため、移動診療を展開。2つのチームがへき地で活動している。 MSFの移動診療では毎日400人以上の患者を診察し、アニンガさんのような妊産婦のケアのほか、外来診療、マラリアや栄養失調の検査、心のケアなどを行っている。

隣国ウガンダで国際援助が削減されたことにより、避難先のウガンダから南スーダンに帰国する人が増えていることも、医療ニーズを高める一因となっている。MSFは、国際社会による援助の拡大が必要だと訴えている。

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