【能登半島地震】発災2週間…ライフライン復旧進まぬ地域もある中で加速する2次避難(静岡から現地取材)

能登半島地震の発生から2週間。これまでに222人が亡くなり、今も22人の安否が分かっていません。石川県では、能登地域をはじめ、9市町、5万5千戸あまりで断水が続いています。

( 勝又 宜彦 記者)

「七尾市に、水を供給する水道管の復旧工事現場です、地震の影響で水が漏れていたため、現在、急ピッチで作業が進めれています」

作業が行われていた中能登町では、13日、断水は解消されていますが、その下流にある七尾市は、ほぼ全域にあたる約2万戸が今も断水状態です。復旧に時間がかかる理由を、石川県の担当者に聞きました。

(石川県土木部 水道企業課 高田 隆司 課長)

「水道管が漏れているかの確認は、上流から水を通しながら圧力をかけて確認する必要があり、1か所で漏水があると、下流は水圧がかからないので、漏水箇所の確認が難しい。一つずつ上流側の方から補修をしなければならない、漏水箇所の特定をすぐに全部できない、直すのも一つずつなので非常に時間を要している」

石川県南部の手取川ダムを水源とする水道事業は、送水管の延長が200キロに及びますが、そのほとんどが供用開始から40年以上が経ち、老朽化が進んでます。2010年からは耐震性のある送水管を整備し、2系統化を進めていますが、今回の地震では2本目のルートが整備されていない場所で漏水したといいます。

(石川県土木部 水道企業課 高田 隆司 課長)

「基本的には既設の管は、耐震化されていない。大きな地震が起きれば漏水する可能性はあると思っていましたけど、ここまでの想定はしていなかった」

石川県では、いち早い復旧を目指していますが、断水解消がいつになるかは見通せないということです。

ライフラインの復旧が進まず、厳しい避難生活が続く中、被災地では「災害関連死」を防ぐ動きが加速しています。石川県は、長引く避難生活の環境改善に向け、被災地の避難所「1次避難所」から被災地以外にある宿泊施設などへの「二次避難」を呼びかけています。

地震の発生から、2週間がたった今も、避難生活を余儀なくされている人は、最多の輪島市で7600人以上、珠洲市で約4000人など、石川県内で2万人近くにのぼります。

(石川県 馳知事)

「現場の自衛隊や救急、警察から得た情報をもとに2次避難所に移していくというオペレーションを同時並行で進めています」

2次避難は、病気の方や高齢者、妊婦などが最優先で、石川県は1日あたり約2万8千人分の宿泊施設などを準備し、14日までに約800人が避難しています。

15日 夜から16日にかけ、被災地では再び大雪となる予想で「災害関連死」を防ぐための対応が急がれます。

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